住民の〝居場所〟末永く 地域型よりあいカフェ 「菜の花カフェ」が10周年(別写真あり)
令和7年4月13日付 6面

住田町社会福祉協議会(菅野孝男会長)の「よりあいカフェ事業」により、住民が主体となって運営している同町上有住の地域型よりあいカフェ「菜の花カフェ」が10周年を迎え、11日に「祝う会」が開かれた。開設以来、気兼ねなく寄り合って語らう地域住民の居場所として定着しており、カフェの常連たちは〝にぎわいの拠点〟の末永い継続を願う。 (清水辰彦)
よりあいカフェは、町社協が地域福祉活動計画の基本目標に掲げる「おもしぇぐ暮らせるまちづくり」で取り組む重点事業の一つ。平成27年度以降、町内に誰もが気兼ねなく寄り合える場を設け、高齢者や障害者、その家族らがつどい、子どもたちやボランティアとの交流を通じて、介護予防や社会参画を促してきた。
現在、住民主体で運営する「地域型」は12カ所、町社協や町地域包括支援センター、地域ボランティアが中心となって運営する「中心型」は3カ所がそれぞれ開設されている。
このうち、「地域型」の第1号となったのが菜の花カフェで、上有住恵山地区の佐藤利勝さん(70)方の旧宅を活用して27年4月10日に初開設。佐藤さんの妻・公子さん(73)を代表として、当初は毎月第2、第4金曜日に、コロナ禍以降は毎月第2金曜日に開設され、地域住民が集って語らいなどを楽しんでいる。
10周年翌日の11日が今月の開設日となり、10人余りが足を運んだ。はじめに、民生児童委員も務める利勝さんが「10年続けてきたことに意味があると思う。来られなくなった方もいるが、来られる方には一回でも多く足を運んでもらい、楽しい時間を過ごしてほしい」とあいさつ。
引き続き、住民側が公子さんへ、「菜の花カフェの代表として、10年間にわたりカフェを運営し、おいしい昼食や楽しい語らいの場を提供しました。その功績と愛情をたたえ、心から感謝の意を表します」とする感謝状を贈呈。10年の間、毎回カフェに足を運んだ〝皆勤賞〟の佐々木昭子さん(94)、菅野コトミさん(89)、佐藤アツ子さん(92)には花束も贈られた。
開設当初の映像を上映したあとはくじ引きゲームも楽しみ、手作りのごちそうを囲んで10年を振り返りながら談笑に花を咲かせた。
佐々木さんは「ここに来て、みんなと話すのが楽しい」、菅野さんは「ここに来るのが生きがい」、佐藤さんは「楽しくて、カフェの日を楽しみにしている」と笑顔で話した。
公子さんは「『楽しみ』と言ってもらうのがうれしいので、今後も続けていきたい」と意欲を見せている。