歌声に思いを乗せて アカペラユニット・XUXU「春のライブ」 大規模林野火災でも支援活動(別写真あり)

▲ 多彩な楽曲で魅了したXUXUのメンバー

ステージ上では義援金の寄付も

 大船渡市のさんりく・大船渡ふるさと大使を務めるアカペラユニット・XUXU(シュシュ)による「春のライブinおおふなと」(実行委員会主催)は13日、市民文化会館リアスホールで開かれた。メンバー3人は、表現豊かなハーモニーで魅了するとともに、東日本大震災や市大規模林野火災への思いも込めながら、来場者と交流。先月開催したチャリティーショーなどによる林野火災義援金を市に寄付した。
 XUXUは、平成21年に三陸・大船渡東京タワーさんままつりのテーマソング『オラ!サンマ!』を手がけたのが縁で、同大使に就任した。リアスホールでの公演は12年ぶり。yukiさん、asukaさん、yumiさんの3人がステージに立ち、市民ら約150人が訪れた。
 冒頭、大規模林野火災を受けて先月都内で開催したチャリティーコンサートの映像を紹介。yukiさんは「これからも私たちは、できることに取り組んでいく」と語った。
 息の合った歌声で魅了する『八木節』から始まり、さまざまな動物の鳴き声が響き渡るアフリカン・ミュージック『パタパタ』などを披露。客席までの距離が近く、訪れた人々は臨場感あふれるステージを堪能した。
 終盤には、大規模林野火災に伴いリアスホールも避難所となり、開催の見通しが立たなかった中でも、市民らによる実行委員会が準備を続けたことなどを明かした。そのうえでメンバーは「皆さんに歌声を聞いていただくことができ、感謝の気持ちでいっぱい」と語った。チャリティーやファンから寄せられた義援金は、来場していた渕上清市長に手渡した。
 アンコール前の最後を飾った楽曲は、平成23年の全国椿サミット三陸・大船渡大会での初披露を目指していた『camellia~椿のうた~』。震災で中止となった後、XUXUは記念品として配布される予定だった同曲収録のCDを買い取り、さらに販売した売り上げ金を寄付した。
 「花びらは手をつないで/輪になって支え合う/春を運ぶその日まで/咲き誇れ 椿」と歌詞をメロディーに乗せ、災害を乗り越えながら進む大船渡に寄り添い続ける思いも込めたメンバーたち。来場者からは、盛大な拍手が送られた。
 コンサートに先立ち、メンバーは12日、避難所となっている立根町の県立福祉の里センターを訪問。14日は、大船渡町の明和保育園を訪れた。