今後も交通安全見守って 町内設置の警察官人形 補修完了しお披露目(別写真あり)
令和7年4月16日付 7面
住田町世田米地内の道路沿いに設置され、雨の日も風の日も交通安全を見守っている警察官人形の補修が完了し、15日に町役場でお披露目された。設置から四半世紀が経過して老朽化した人形がリニューアルして登場。補修作業を担った県立住田高校生や交通安全関係者が出席し、今後も地域の安心安全を見守ってくれるよう期待を込めた。(清水辰彦)
この警察官人形は、30年ほど前に気仙地区交通安全協会世田米分会が設置したもの。当時、町内で死亡事故が多発したことから、安全運転の「監視役」として、歴代分会長から寄付を募って購入。事故が発生するたび、その現場に人形を設置し、注意喚起してきた。
近年、1体は国道340号と同107号が接する火石交差点近くにある大船渡警察署世田米駐在所前に、もう1体は世田米の下在公民館近くの国道340号沿いに設置され、町内の交通安全に貢献している。
猛暑でも、酷寒でも街頭に立ち続けてきた警察官人形。塗装がはがれるなどして傷んだが、すでに製造されておらず、気仙地区交通安全協会の杉下吉身会長が今年1月から補修作業を開始した。
1次補修として胴体部分や顔を塗装し直し、2月からは住田高校生が2次補修として表情などを描き、名前も考案。同月から3月半ばにかけて、有志の2、3年生13人が塗装作業に取り組んできた。
お披露目会には安協や大船渡警察署、町、高校生、人形の運搬を担った県トラック協会大船渡支部などから合わせて約30人が出席。
人形の除幕のあと、住田高校の紺野爽介生徒会長(3年)が名称について、駐在所前に設置されていたものは「住田あつや」、セットで置かれていた女児人形は「住田あつ子」、下在公民館前の人形は外国人の設定で「クッブ・S・フォーレス」と発表。
「あつや」「あつ子」はきょうだい設定で、町花に制定されているアツモリソウから、外国人の人形は、町内で盛んに行われているスウェーデン発祥のスポーツ「クッブ」から名前を付けた。
補修に携わった関係者に感謝状を贈ったあと、3体は神田謙一町長から「町交通安全大使」、大船渡署の荒木田聖署長から「気仙地区交通安全協会特別会員」「大船渡警察署特別署員」に委嘱され、交通安全見守り活動の命を受けた。
神田町長や杉下会長、荒木田署長は、それぞれあいさつで、町民の安全安心への貢献へと期待を込め、住田高校の伊藤治子校長、紺野生徒会長は地域と連携しながらの各種活動へと意欲を見せた。
リニューアルした警察官人形の胸には同校のワッペン、ヘルメットにはアツモリソウが描かれており、「あつ子」には町のPRキャラクター「すみっこ」のイラストも添えられている。お披露目会後、人形たちは元の場所に運ばれ、〝現場復帰〟した。
紺野生徒会長は「みんなに知ってもらうことができてよかった。住田の安全安心を見守ってくれることを願う。見かけた人が笑顔になってくれればうれしい」と話した。






