イノシシ過去最多22頭 前年度比6頭増 6年度有害鳥獣捕獲実績  

▲ 今月市内で行われたニホンジカの一斉捕獲

 陸前高田市は令和6年度の有害鳥獣捕獲実績をまとめた。近年、確認数や食害が急増しているイノシシは22頭と5年度の16頭から6頭増え、過去最多となった。ニホンジカは前年度比29頭増の1137頭だった。
 市は平成27年に矢作、横田両町で初めてイノシシが目撃されて以来、捕獲に取り組んできた。29年6月、横田町内で初めて農業被害の報告があった。
 イノシシの有害捕獲数は令和元年度4頭、2年度3頭、3、4年度各2頭。5年度は前年度の8倍の16頭に急増した。
 近隣自治体でも深刻な農業被害が確認され、この事態を踏まえ、市は6年度、捕獲報償金を前年度比4000円増の1頭当たり1万4000円に設定。イノシシ専用の箱わなも新たに購入した。
 6年度の目標数20頭に対し、実績は22頭。平成28年度以降初めて捕獲数が目標を上回った。現在、農作物の被害面積・金額の調査を行っている。
 ニホンジカの捕獲数は令和2年度以降、1000~1100頭台で推移しており、6年度も同水準となった。今月には市鳥獣被害対策実施隊(細谷忠弘隊長)によるニホンジカの一斉捕獲が市内で2度行われた。
 「ハクビシン等(ハクビシン、タヌキ、アナグマ、キツネ)」は同年度378頭で、前年度比73頭減。鳥類は同36羽増の154羽だった。
 細谷勇次農林水産部長は「イノシシは確認数が増加傾向にあり、農作物の収穫にも影響を及ぼしている。今後も鳥獣被害対策実施隊と連携しながら適切に捕獲を進め、農林業被害の軽減に努めていく」と見据える。

 

クマの出没にも注意を

 

 陸前高田市内で10日、クマの目撃情報があり、市は注意を呼びかけている。
 市によると、同日午後0時30分ごろ、広田町の大野海岸周辺でクマ1頭が出没。被害は確認されず、防災行政無線で注意喚起した。
 市は今後、レジャーなどで入山する機会が多い時期に入ることから、市広報などを通じて対策を周知している。
 山林内の対策は▽事前に入山地域の出没情報や被害情報を確認する▽複数人で行動▽撃退グッズを携帯する▽明け方、夕方の入山を避ける▽鈴やラジオなど音が出るものを携帯する▽クマのふんや足跡を見たら引き返す──。
 人里では▽廃棄野菜や生ごみ、コンポストを適切に管理する▽農地周辺のやぶを刈り払い、見通しのよい環境を整備する▽電気柵を設置し、クマを寄せ付けない対策をする▽庭先果樹は適期がきたら速やかに収穫する──などの対策を促す。
 クマを目撃したとき、または被害に遭ったときには、時間、場所、頭数、大きさ、進行方向などの情報を市に寄せるよう求めている。
 問い合わせは、市農林課林政係(℡54・2111内線473、474)へ。