利用再開へ向け現地調査 歩行は支障なし 安全面に懸念も みちのく潮風トレイル 環境省などが火災被害の綾里で(別写真あり)

▲ 環境省や市が、ルートを歩いて被害状況を確認した

 環境省は17日、大規模林野火災で被害を受けた大船渡市三陸町綾里地区内のみちのく潮風トレイルのルートで現地調査を行った。ルートの利用再開に向けて、実際に歩いて被害状況を確認。歩行自体に支障はないものの火災の爪痕は大きく、今後は倒木など安全面も懸念されることから、利用再開については検討を重ねながら慎重に判断していく。(清水辰彦)

 

 青森県八戸市から福島県相馬市までの4県28市町村にまたがるみちのく潮風トレイルは、環境省が「グリーン復興プロジェクト」の一環として、関係機関・団体、地元住民らと協力しながら整備。令和元年に全線が開通し、昨年、5周年を迎えた。
 火災によって、綾里地区内ではトレイルルートが広範囲にわたって被害を受けた。現在、環境省やみちのく潮風トレイルを運営するNPO法人みちのくトレイルクラブでは、盛駅から三陸駅の区間約40㌔はトレイルとしての利用を控えるよう理解を求めており、同区間は三陸鉄道での移動を呼びかけている
 環境省など関係機関・団体では4月上旬から現地調査を開始。17日は4回目で、鎮火後は初の調査になった。
 同日に調査に入ったのは、綾里ルートのうち不動滝から綾里峠間の約2㌔。歩道や、ルート各所に設置されているトレイルの標識の被害状況を確認しようと、環境省、市から合わせて4人が参加して調査を実施した。
 ルート上では、スギやアカマツといった針葉樹が焼けていたり、火災で枯れ葉が焼けて地肌が露出するなどしており、歩くことはできるが、今後は焼けた木の倒木、土砂滑りなどが懸念される状況となっている。
 こうした中、環境省や市、みちのくトレイルクラブなどの関係機関・団体で協議し、地元住民の意向も十分に確認しながら早期再開を目指していくが、現段階で時期的見通しは立っていない。
 被害を受けたルートは通行を控えるよう求める一方、関係機関ではそれ以外のエリアについては積極的に歩いて、地域の魅力を感じてほしいと呼びかけている。
 リアス海岸からの絶景や豊かな自然に加え、地元住民との交流など、綾里地区を通るルートは国内外のハイカーから愛されており、復活を待ち望む声も多い。
 同省東北地方環境事務所三陸復興国立公園管理事務所大船渡管理官事務所の山本航さん(25)は、「道自体は歩けるが、一方で倒木や土砂流出の可能性は高まっている。環境省や大船渡市、地域、トレイル組織と一緒になって、地域振興に貢献できるよう再開に向けて準備していきたい。また、再開して終わりではなく、多くの人に歩いてもらいながら、みんなで一緒にこの道を見守っていけたら」と話していた。