陽気のもと山開き 陸前高田の氷上山 市内外から多くの登山客

▲ 好天のもとで山開きを迎えた氷上山。9合目の祈祷ヶ原は多くの登山客でにぎわった

 陸前高田市の氷上山(874㍍)は19日、山開きを迎えた。日中の最高気温が25度の夏日に迫る陽気に恵まれた中、市内外から多くの登山客が訪れ、陽光に輝く海やまちの様子を眼下に眺めながら、山頂を目指して心地よい汗を流した。
 「すずらん」「中央」「玉山」の三つの登山コースがある氷上山。このうち、中央は片道1時間ほどを目安に登れるコースで、初心者も気軽に登山を楽しめるとして、地元内外から多くの登山客が訪れる。
 この日は、同市観光物産協会(熊谷正文会長)が高田町の氷上神社で山開きの神事を行い、シーズン中の安全を祈願した。
 氷上山では、早朝から各コースに入った登山客らが、クマ対策の鈴やラジオを鳴らしながら歩いた。
 9合目にあり、休憩場所となっている祈祷ヶ原では、広田湾や市街地の光景を眺めたり、地面に横になって体を休めたりと、開放的な時間を満喫。キャッチボールをする子どもたちの姿も見られた。
 同協会は、昨年までは祈祷ヶ原で汁物を登山客に振る舞っていたが、今年は林野火災多発を受けて自粛。代わりに、先着40人に地元の工房めぐ海(広田町)によるおやきと、さいとう製菓㈱の「かもめの玉子」を配り、地元高校生もスタッフとしてもてなした。
 盛岡市から訪れた月永瞳さん(45)は「今年2月から山登りに挑戦していて、氷上山は初めて。無事に晴れて良かった。どこを見ても良い風景」と爽やかな表情を浮かべていた。
 シーズン本格化にあたり、同協会では熱中症や虫、クマの対策、火気の取り扱いなどへの注意を呼びかけている。