200年祭で安寧祈願 横田町堂の沢・山神社 傘踊りや虎舞奉納(別写真あり)

▲ 渡御行列で傘踊りを披露する堂の沢地区住民ら

 陸前高田市横田町堂の沢地区に鎮座する山神社(紺野幸宏宮司)の200年祭は20日、同地区で行われた。25年ぶりの実施となった例大祭。地域を回る渡御行列に参加した住民らが虎舞や傘踊りを奉納し、日々の安寧を祈願した。
 市史によると、同神社は、文政7(1824)年に宮城県旧小牛田村の山神社の分霊を勧請し、その後社殿を建立。毎年旧暦の3月12日と9月12日を祭日に定め、安産や家内安全、火防などを祈願する神社として地区内外から信仰されている。
 5年に1度行う例大祭は、少子高齢化や東日本大震災、コロナ禍などを要因に、平成12年の175年祭挙行後は見送られてきた。遷宮から200年を数える今年は25年ぶりの実施を決め、総代や氏子ら地区民が昨年から準備を進めてきた。
 19日夜は、神殿から神様を神輿に移す「遷座祭」を実施。20日は、社務所で「発輿祭」を執り行ったあと、神輿渡御行列の参列者約200人が地区内を練り歩いた。
 道中は、参列者らが虎舞と傘踊りを披露。子どもから大人まで、伝統の装束を身にまとった住民らが勇ましい舞や華やかな踊りを繰り広げ、沿道から見守った人々の笑顔も誘っていた。
 人口が今より多かった過去の例大祭では、梯子虎舞を奉納したほか、渡御行列での虎舞と傘踊りを子どもだけで行っていた時期もあったという。少子化が進み祭りの担い手が減少する中、「地区民みんなで心を一つにするきっかけに」と力を合わせ、今回の大祭挙行にこぎつけた。
 太田雄介総代長(79)は「みんなで手分けして準備を進め、この日を迎えられたことをうれしく思う。皆さんの協力に感謝するとともに、災害のない平和な日々を祈りたい」と話していた。(阿部仁志)