充実した学びと生活を 「いわて留学」で本年度入学 住田高 荒井さん(山形)と鈴木さん(埼玉)

▲ いわて留学で住田高校に入学した鈴木さん㊧と荒井さん

 住田町の県立住田高校(伊藤治子校長)に本年度、県外向け募集枠「いわて留学」によって、埼玉県さいたま市出身の鈴木愛梨さん、山形県山形市出身の荒井智義さんが入学した。2人は、恵まれた自然の中、特色ある探究活動も展開している同校で、学びと生活を充実したものにしようと、親元を離れて新たな一歩を踏み出した。(清水辰彦)

 

 同校を選んだきっかけについて、鈴木さんは、「豊かな自然や小規模校といった環境が自分に合っていると思った」と話す。昨年10月に開かれた同校の文化祭を見学した際も、温かい雰囲気に魅力を感じた。「人数が少ない分、学年関係なくみんな仲が良い」という先輩のリアルの声も聞くことができ、安心できたという。
 高校3年間では、ボランティア活動に意欲をみせる。プライベートでは、「いろんな所に出かけて、散歩をしたり写真を撮ったりして、すてきな思い出をつくりたい」と期待を膨らませる。
 入学から2週間。「下宿先のお父さん、お母さんも、高校の先生、生徒も、みんなとっても温かい」と話す。今月12日には、同校研修会館内に開設されている「住高ハウス○○」主催のレクリエーション企画の一環で、町内の店舗や公共施設、観光スポットなどを巡った。「たくさんの魅力を発見して、埼玉とはまた違った良さに気付くことができた」と語る。
 一方の荒井さんは、母親が働く地元ラーメン店のオーナーが本県出身だったことから、中学生のころからよく岩手に遊びに来ていたという。
 「人が優しくて、岩手の高校に行きかった」と当時からの思いを明かす。本県内のさまざまな高校を回る中で、「一番落ち着けるし、先生たちも優しかった」と入学を決めた。
 町内に下宿して生活する中で、「高校は毎日楽しい。周りの人も優しくて、みんな親戚みたいな感じ」と町民の温かさに触れる日々を送っている。
 高校での目標は、「青春」。「勉強も遊びも恋も全力で頑張りたい」と快活に語る。陸上部にも入部予定で、短距離選手としての活躍を期す。
 「いわて留学」は、県教委が令和2年度に開始した制度。入学者は増加傾向にあり、同年度は4校19人、3年度は3校19人、4年度は8校31人、5年度は9校25人、6年度は9校32人。本年度は10校に計43人が入学した。
 入学者の増加について県教委は、各校が投稿サイト「note」を活用して学校独自の取り組み、環境などを積極的に発信していることや、県外中学生が高校生活へ円滑に移行できる準備期間を確保するため、昨年度の受験日を従来の3月から1月に早めたことを主な要因と捉えている。