再エネ設備補助を大幅拡充 住宅用太陽光発電は最大80万円

 陸前高田市は、住宅用太陽光発電設備や木質バイオマス暖房機(ペレットストーブ、まきストーブ)を設置する人に対する独自の助成制度を大幅に拡充した。環境省の脱炭素先行地域に市が選定されたことを受け、本年度から本格化する関連事業の一つ。助成額は、太陽光発電設備が従前の8倍となる最大80万円、暖房機が7・5倍の同75万円に増額し、どちらも現金で給付する。手厚い支援で他自治体に先駆けて温室効果ガス削減を目指す。(高橋 信)


 対象者は市内に住み(転入予定を含む)、該当する設備を設置予定の人。未使用であるのが条件で、設置後、または工事契約後の申請は受け付けない。
 太陽光発電設備は、住宅に新たに設置され、最大出力10㌔㍗未満のものを対象とする。余剰電力を地域新電力会社に売電できる契約を結んでいることが条件。助成額は設置費用の3分の2以内で、80万円を上限とする。
 ペレットストーブやまきストーブの助成額は設置費用の4分の3以内とし、75万円まで。まきストーブは煙やにおいを抑制する2次燃焼機能を持つ必要がある。
 申請受け付けは、今後準備が整い次第開始する。申込期間を設定する想定で、随時、市広報などで周知する。
 拡充版の補助は、本年度以降に設置する人に限定するため、市は令和2~6年度に設備を導入した人に限り支援する時限的措置をとる。
 ただし、この場合の助成額は従前の制度を適用させる。金額は住宅用太陽光発電設備、木質バイオマス暖房機ともに最大10万円で、地域共通商品券で交付する。申込期間は9月30日(火)まで。
 市によると、同制度の交付実績は5年度が25件、約250万円、6年度が15件約140万円。本年度の事業費は3950万円で、うち国から2375万円が交付される見通し。
 脱炭素先行地域は、二酸化炭素(CO2)排出削減を全国の他自治体などに先駆けて進める地域を指す。環境省は本年度末までに、少なくとも100カ所を選定することとしている。
 市は昨年度、同地域に選ばれ、本年度から農業と発電を同時に展開する「ソーラーシェアリング」の拡大、エネルギーの自給自足を行う送配電システム「地域マイクログリッド」導入などに乗り出す。
 市まちづくり推進課の小野勝彦課長補佐は「補助制度は本年度からの6年間を期間とする市地球温暖化対策実行計画にも関連するものであり、周知を図りながらCO2削減に努めたい。設置後は補助対象外となるため、検討している人は当課までお気軽に相談してほしい」と呼びかける。
 問い合わせは、同課生活環境係(℡54・2111内線122)へ。