食と芸能で盛り上げを 三陸花火の代替イベント 5月4日、有志が高田松原運動公園で実施

▲ 当日蒸して販売する予定のカキを手に来場を呼びかける大坂さん

 陸前高田市の高田松原運動公園で5月4日(日)に予定されていた三陸花火大会の開催見送りを受け、当日会場で飲食出店する予定だった事業者ら有志が同日、同運動公園で代替イベントを実施することとなった。花火の打ち上げはしないが、三陸花火の特徴の一つでもある三陸産グルメの提供や太鼓・踊り披露を行う。三陸花火に関わる地元の事業者や出演者の思いが無に帰さぬようにと、小規模ながら受け皿となるイベント開催に向けて急ピッチで準備している。(高橋 信)

 

 代替イベント実施に向けて立ち上がったのは、水産品の小売りなどを手掛ける同市の合同会社「bigap(ビギャップ)」代表社員・大坂智央さん(28)ら有志。
 同社は今回の花火大会会場内で、三陸産グルメの提供やステージパフォーマンスを繰り広げる「三陸ストリート」の企画・運営を担当。地元の酒造会社や甘酒店、手作り菓子店など12店舗が出店し、パフォーマンス部門には太鼓や舞踊などの8団体が出演する予定だった。
 「今回から三陸ストリートを担うことになり、地元の魅力を発信する場にしたいと自分たちなりに準備してきた。内容を固め、あとは当日を迎えるだけだった」と大坂さん。しかし、大会を主催する実行委(浅間勝洋委員長)から突然「開催見送り」の発表があり、三陸ストリートも総崩れとなった。
 1万人規模の来場に備えて仕入れた食材の大量ロスが生じかねない事態となり、花火大会でデビューを飾る子どもたちが所属する団体もあったという。「黙っているわけにはいかない。何かしなければ」と大坂さんらが動き出し、代替イベントを開催するべく、急きょ三陸ストリート実行委を立ち上げた。
 イベントには25日午後2時現在、5店舗6団体が出店・出演予定。今後も実行委が自ら地元の関係店舗などに参加交渉する。
 入場無料で、開催時間は午前11時~午後8時を想定。バーベキューやキャンプを楽しめるエリアも設ける。運動公園と中心市街地などを結ぶ臨時バスのピストン運行も検討している。
 実行委員長の大坂さんは「花火大会が寸前で中止となり、憤りを原動力に準備している。活躍すべきだった出演者やおいしいフードを提供するはずだった店が不完全燃焼にならないよう、規模は小さいだろうが全力で頑張りたい」と語る。
 実行委は運営を補助する無償ボランティアを募集中。最新情報はX(別掲QRコード)などSNSで随時発信している。
 問い合わせは、大坂さん(℡090・4317・2387)へ。