サップ普及へ専門店オープン 植田さん親子 体験会などで水上アクティビティーの魅力発信

▲ サップ専門店を営む植田代表㊧と豊デンゼルさん

 水上アクティビティー「SUP(サップ)」の専門店「THE BLUE SUP(ザ・ブルー・サップ)」(植田恵美代表)は、陸前高田市広田町にオープンした。店を切り盛りするのは、植田代表(60)の長男で、地域おこし協力隊員として今月から同市で活動する豊デンゼルさん(30)。「サップのまち陸前高田」として認知されるよう、体験会やツアーなどを展開し、地元の美しい海を満喫できるアクティビティーの魅力を発信していく。(高橋 信)

 

開店初日の25日、大野海岸でビーチクリーンを実施

 心地よい潮風が吹く大野海岸そばの県道沿い。オーシャンブルーにペイントされた外観が目印の建物が、植田さん親子が営むザ・ブルー・サップだ。
 開業日の25日、2人がまず取りかかったのが目の前の同海岸でのビーチクリーン活動。「ごみはほとんどないね」。きれいな砂浜と海を笑顔で見渡しながら1時間の清掃活動に励んだあと開店した。
 店では初心者から上級者向けのボードまで、レベルに応じた道具をレンタル・販売している。インストラクターは英語でのガイドにも対応可能。2時間のツアーやレベル別の体験会、犬と一緒に楽しむドッグサップなど幅広いコンテンツを用意している。
 奥州市出身の植田代表。十数年間暮らしたカナダでサップに出合った。長年フィットネス関係の仕事をしていたが、令和4年にサップの普及に乗り出した。
 陸前高田には、県立野外活動センター主催のサップ体験会の講師などとして度々招かれ、つながりが生まれた。透き通った海などの豊かな自然、温かな地域コミュニティーにひかれ、広田町の空き店舗を使い、販売店を兼ねた活動拠点を設けることとした。
 店の責任者は、豊デンゼルさんが引き受けた。国際教養大大学院(秋田市)を修了後、青森県八戸市の私立中高一貫校で憧れだった教員に就き、充実の日々を送っていたが、還暦を迎えても挑戦を続ける母の姿に刺激を受けた。
 自身は節目の30歳。根っからのアウトドア派で、「好きなことを仕事にするなら今しかないと思った」。銀行員だった妻・聡美さん(28)からも背中を押され、教壇から降りる決意を固め、今月、夫婦ともに陸前高田市地域おこし協力隊員となって新たな一歩を踏み出した。
 目標は市内でのSUP大会開催。体験会を通じて愛好者を増やし、選手育成、クラブチーム発足も思い描く。豊デンゼルさんは「誰もがサップでつながれるようなハブの存在でありたいし、サップの普及をレジャーとしてだけでなく、競技の部分でも進めていく。3年後には気仙川や高田松原を会場に大会を開き、県外からも評価されるまちにしたい」と明確なビジョンを語る。
 営業時間は午前10時~午後5時。水曜定休。電話番号は、080・1825・7443。