サバ素材に調理実習 大船渡東高と越喜来漁協 未利用魚の利活用狙いに(別写真あり)

▲ 大船渡の海で漁獲されたサバを使った調理に取り組む参加者ら

 大船渡市立根町の県立大船渡東高校(今野晋校長、生徒205人)で26日、越喜来漁業協同組合(舩砥秀市組合長)と同校食物文化科による未利用魚の利活用に関する連携プロジェクトの活動が行われた。保護者や教職員らが、大船渡で漁獲されたサバを使った調理を体験し、地魚のおいしさや生徒考案の新たな活用法を知る機会とした。(菅野弘大)


 同漁協は、国の「がんばる漁業復興支援事業」の一環で、本年度から5年間の「がんばる漁業復興計画」として、定置漁業の経営改革に取り組んでいる。計画では、「暖水系魚種」の地元定着を目指し、同校食物文化科と連携して未利用魚種を活用したメニュー等の開発を見込んでいる。
 同校では同日、PTA総会に合わせた学科体験として、希望する保護者を招いて各学科の授業を実施。食物文化科では、未利用魚の利活用についての普及などを狙いに調理実習を行うこととし、プロジェクトを担う課題研究「食育と健康コース」の3年生や保護者、教職員ら約20人が参加した。
 この日のメニューは、サバを使ったハンバーガー「サバーガー」とトマトスープの2品。メイン食材のサバは越喜来漁協の定置網で漁獲されたもので、合弁会社㈱テツゲンメタウォーターアクアアグリが無償提供したグリーンリーフを具材に使用。トマトスープは、同校萱中いこい農場で育てているトマトを活用した。
 サバは事前に生徒らが下処理を施し、参加者らはグリーンリーフやタマネギをカットしたり、バゲット、サバをフライパンで焼くなど、調理を進めた。ハンバーガーを作る要領で、バゲットに具材を挟み、レモンを搾って完成させ、スープとともに味わった。
 ハンバーガーとして食べるサバは、魚の脂と野菜の食感の相性が良く、レモンでさらにさっぱりとした味わいに。同漁協の前田功総務課長(48)は「サバは煮る、焼くしか思いつかなかったが、新しい食べ方でおいしい。生徒のアレンジで違った活用法を知ることができた。引き続きさまざまな魚を提供していきたい」と話した。
 同科では今後も、幅広い魚種を使ったレシピ開発に取り組む。佐々木梨音さん(3年)は「未利用魚は食べる機会が少ない。多くの人に興味を持って食べてもらえるよう、レシピづくりで地域貢献ができれば」と意気込んだ。