五葉山もシーズン入り 山開きで安全祈願祭 登山者の無事故願う(別写真あり)

▲ 不安定な天候の中でも登山者の姿が見られた五葉山

 大船渡、住田、釜石の3市町にまたがる県立自然公園・五葉山(1351㍍)で29日、登山シーズンの幕開けを告げる「山開き」が行われた。大船渡市内では大規模林野火災からの復旧・復興を目指す中での山開きで、安全祈願祭の参列者らは登山者の無事故と無災害を願った。
 本県沿岸南部の最高峰である同山は例年、大型連休が始まる『昭和の日』に合わせて山開きを行っている。同日は、3市町で構成する五葉山自然保護協議会(会長・小野共釜石市長)が、両市境の赤坂峠登山口(721㍍)で安全祈願祭を挙行した。
 協議会関係者や登山者ら、合わせて約30人が参加。神事が執り行われ、登山者や山の環境の安全を祈ったほか、登山道の清め払いが行われた。
 渕上清大船渡市長はあいさつの中で大規模林野火災への支援に対し、「多くの自治体から多大な協力をいただいている。ご厚意に報いるためにも、火災予防に徹底して取り組み、災害対策のあり方を考える起点にしたい」と感謝を述べた。
 この日は、晴れ間がさしながらも雨が降り続いたりと天候が変わりやすく、時折強めの風も吹くコンディションだったが、安全祈願祭の終了後にはさっそく山歩きを開始する人も見られた。
 青森県三沢市から訪れた長嶺聡子さん(50)は「五葉山は以前から登ってみたい山だった。今日はツツジが咲く前の下見として来たので、見頃を迎えたらまた来るつもりでいる」と話し、登山道を登っていった。
 五葉山は、山頂まで比較的緩やかな道が続き、頂上からは早池峰山やリアス海岸を望むことができる。同協議会によるとこれからツツジが咲き始めるほか、6月下旬にはシャクナゲのシーズンを迎える。
 大型連休に入った気仙3市町では、5月3(土・祝)~6日(火)を中心に各種イベントが予定されている。