復旧・復興に導く活気を 雨上がりの晴天が歓迎 きょうまで碁石海岸観光まつり(動画、別写真あり)
令和7年5月4日付 1面

大型連休後半を彩る大船渡碁石海岸観光まつり(同実行委員会主催)は3日、大船渡市末崎町の碁石海岸レストハウス前などで開幕した。前日からの雨が上がり、すっきりとした行楽日和に恵まれた中、地元団体による多彩なステージに加え、食に関する出店が充実。大規模林野火災の復旧・復興に向けた募金活動も行われ、地元内外の人々が生活再建やなりわい再生への願いを込めた。まつりは4日も開かれる。(佐藤 壮)
同まつりは、三陸海岸の代表的な景観地・碁石海岸の美しさを広く発信しようと、毎年この時期に開催。今年も開幕前から、帰省客や観光客に加え、地域住民も続々と来場し、活気に包まれた。
開会式では実行委員長の齊藤俊明市観光物産協会長が「2日間のまつりを存分に楽しんでほしい」とあいさつ。渕上清市長の祝辞に続き、新任期に入った第27代大船渡つばき娘が紹介され、恒例の餅まきが行われた。
ステージでは、さすけ会を皮切りにSTUDIO LINK、大船渡高校太鼓部、LAWBLOW、平組梯子虎舞などが出演。いずれも躍動感あふれる舞や音色で魅了した。
大船渡東高太鼓部の小松蓮央さん(3年)は赤崎町在住で、大規模林野火災では避難生活を強いられた。「火災以降では初めて、大船渡の屋外で演奏した。見ている人たちに感謝する思いを込めた」と語った。
この日は波が高く、碁石海岸穴通船の運航は見送られたが、訪れた人々は松林内を散策し、白波に覆われた岩肌をはじめ、雄大な景色を満喫。爽やかな空気を吸い込み、和やかなひとときを過ごしていた。
蒸し焼きのカキをはじめ、今年もグルメ販売コーナーが充実。ワカメ加工品の販売でも、活気が広がった。4日に陸前高田市で予定されていた三陸花火大会の中止を受け、急きょ2日目のまつりに参加する動きも見られるという。
会場では、大規模林野火災の募金活動も展開。募金箱を手に歩いて協力を呼びかけた第27代大船渡つばき娘の吉田愛美さん(25)は「地元外から訪れた方々が多く寄付してくれたし、子どもたちも駆け寄ってきてくれた。皆さんの思いが伝わってきた」と話した。ステージ上では、二戸市のゆるキャラ「浄法寺のねこ」による大船渡市への寄付も行われた。
2日目も午前9時開幕で、ステージは同10時から。大船渡高校吹奏楽部、岩手大生による岩手ストリートパフォーマンスクラブ、盛岡さんさ踊り芸能団体・さんさ好み、アンダーエイジ、ナニマーラプアフラスタジオなどの各メンバーが登場する。大高吹奏楽部のステージ後には餅まきも予定している。午後3時終了予定。
「おまつり広場」では▽グルメ販売コーナー▽わかめ販売▽海鮮炭火焼き販売▽こども向けイベント▽露店コーナー──などが並ぶ。隣接する世界の椿館・碁石と市立博物館は無料開放され、釜石海上保安部と連携した碁石埼灯台イベントなどもあり、広く来場を呼びかける。
また、いわて応援ポケモン「イシツブテ」や、いわポケモンの仲間である「イワンコ」も会場内に姿を見せる。午前10時30分、正午、午後1時30分から各30分、撮影などに応じる「グリーティング」を予定している。
駐車場は碁石海岸インフォメーションセンター前、碁石海岸キャンプ場前、浜の停車場前、海さんぽ前、赤土倉駐車場を予定。赤土倉駐車場からは無料シャトルバスを運行する。