利用者5000人達成 「仕事と学び複合施設」 供用開始から約2年 さらなる活用目指す
令和7年5月8日付 7面

住田町が世田米地内に整備した「仕事と学び複合施設」(イコウェルすみた)の利用者が7日、5000人に到達した。5000人目の利用者となったのは、千葉県在住の小野寺直俊さん(49)・多代さん(61)夫妻で、町から2人に記念品が贈られた。供用開始から約2年での5000人達成となり、町などの関係者は施設のさらなる周知と利活用促進に意欲を見せる。(清水辰彦)
節目を記念する式典は共用棟で開かれ、神田謙一町長が「こうしてご活用いただきながら、皆さんのお力をお借りして情報を発信し、1万人、2万人を目指して取り組みを進めていきたい」とあいさつし、小野寺さん夫妻に町特産品の詰め合わせを贈呈した。
直俊さんは、両親が奥州市出身という縁で、幼少時から岩手に遊びに来ていたという。
現在、本県への移住を検討しており、イコウェルすみたの滞在体験棟を利用し、4月9日から今月8日までの1カ月間、住田で生活。愛犬とともに自然豊かな住田での暮らしを満喫し、地元店舗巡りも楽しんだ。
直俊さんは「木に囲まれていて、『木』が産業ということが分かる建物。すごく快適で、自宅よりも落ち着いて、安心して生活できた。山の緑とサクラの共演がすごく印象的で、いい経験になった」と、多代さんは「古き良き地域という感じで、町民の方々も穏やかで、楽しく生活させていただき、とてもいい滞在体験になった」と振り返った。
今後、長期的なスパンで移住先を決めていくといい、住田町も選択肢の一つとなっている。
イコウェルすみたは、東日本大震災を受けて町が整備した応急仮設住宅本町団地の跡地に令和5年5月末に使用開始。ワーキングスペースとして誰でも利用できる「共用棟」、住田での暮らしを体験したり長期ワーケーションで利用できる「滞在体験棟」、震災時の住田の後方支援活動を紹介する「展示棟」、会議や研修、勉強、仕事をする個室スペースやサテライトオフィスとしての利用が可能な「オフィス棟」が設けられている。
共用棟は中学生、高校生の自学自習、一般のリモートワークなどで活用されており、オフィス棟、滞在体験棟、展示棟も認知が進んで利用が増えてきている。