蛸ノ浦は17日、綾里は24日 県が建設型仮設住宅の入居開始日公表 大規模林野火災の被災世帯 避難生活解消と暮らし再建へ
令和7年5月9日付 1面


県は、大船渡市大規模林野火災の被災世帯向けに市内2カ所で整備する建設型応急仮設住宅の入居開始日を公表した。赤崎町の蛸ノ浦(旧蛸ノ浦小グラウンド内、7戸)は17日(土)から、三陸町綾里の綾里(旧綾里中グラウンド内、26戸)は24日(土)から入居可能になる。鍵の引き渡しは、それぞれ前日の午後1時から市役所で行う。大規模林野火災の発生から3カ月を迎えるのを前に、被災者の避難生活解消と暮らしの再建に向けた動きが本格化しそうだ。(三浦佳恵)

綾里応急仮設住宅は24日に入居を開始
県や市は、大規模林野火災による被災者らが生活再建するまでの仮の住まいとして、建設型応急仮設住宅、公営住宅、賃貸型(みなし)応急住宅のいずれかへの入居申し込み受け付けを実施。公営住宅と賃貸型への入居はすでに始まっている。
建設型は3月10日、市が県に対して整備を要請。県は同19日、蛸ノ浦と綾里の2カ所で建設に着手した。
いずれも木造の長屋建てとし、整備戸数は当初、蛸ノ浦が10戸、綾里が30戸を計画。4月16日までにはすべての棟で屋根部分の柱や梁を取り付ける上棟を迎え、その後も急ピッチで工事が進められている。
県によると、整備戸数は入居予定世帯のニーズを踏まえ、2戸をつないで1戸に改造した多人数世帯向け住戸を用意したことから、当初の計画から蛸ノ浦は3戸、綾里は4戸減少。1戸当たりの間取りは原則2~3Kで、風呂、トイレ、収納スペースを設けた。多人数世帯向けの間取りは、4~5Kになるという。
各戸には、エアコン、ガスコンロ、カーテン、照明器具を設置。公営住宅や賃貸型と同様に、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、テレビ、電子レンジ、電気ポットの6点セットも配備する。
現在は内部への器具取り付けなど細かい部分の整備を進めているといい、完成後の検査、クリーニング、家電セットの設置を経て入居可能な状態となる。集会室(談話室)の設置は、現在検討中としている。
入居世帯への鍵の引き渡しは、蛸ノ浦が16日(金)、綾里が23日(金)のいずれも午後1時から、市役所3階住宅管理課で行う。手続きや鍵の引き渡しを受け、順次引っ越し作業が始まる見通しだ。
県県土整備部建築住宅課は「避難所などで生活をされている方々の仮の住まいになる。暮らしの再建に向けた一歩目として、落ち着いた生活を送ってもらいたい」と話している。