映画ロケ地の大船渡を支援 オカダプランニングなど 上映会収益金の一部を市に

▲ ㈲オカダプランニングと大船渡ぶんかクリエイティブが上映会の収益金の一部を市に寄付

 宮城県石巻市の㈲オカダプランニング(菅原聖代表取締役)と大船渡市民文化会館・リアスホールの指定管理者「大船渡ぶんかクリエイティブ」は8日、4月に共催した「『サンセット・サンライズ』上映会」の収益金の一部21万7000円を、市大規模林野火災の義援金として市に寄付した。
 オカダプランニングは、映画館のない市町村などで上映会を開いており、この一環で同ホールでも定期的に上映会を開催。
 『サンセット・サンライズ』は、楡周平さんによる同名小説(発行・講談社文庫)が原作で、東京のサラリーマンが、リモートワークを機に4LDK・家賃6万円の神物件に〝お試し移住〟してみたら、人生を一変させる出会いと交流が待っていた──というストーリー。宮城県気仙沼市がメインロケ地で、大船渡市でも撮影が行われた。
 上映会は当初、同社が3月に予定していたが、大規模林野火災を受けて同ホールも避難所となったため見合わせていた。
 同市が撮影場所とあって市民からの要望も多く、菅原代表取締役の「エンターテインメントの力で大船渡に元気を」といった強い思いもあり、避難指示の解除と避難所の閉鎖を待って実施。フィルム代を差し引いた収益金を義援金に充てることに決めた。
 上映会の当日は、計2回の上映を通して403人が来場した。
 収益金は、同社の菅原代表取締役と乙坂利明会長マネジャー、大船渡ぶんかクリエイティブの菅原英資副館長が市役所を訪問。藤枝修副市長らが対応した。
 藤枝副市長は「被災された方々のもとにしっかりと届けさせていただく。地元で映画を見られるというのはとてもうれしいことで、上映会の継続も大変ありがたい。今後もより良い関係を築けるよう、お願い申し上げる」と述べた。
 菅原代表取締役は、東日本大震災で自宅とその近くに構えていた劇場が津波にのまれ、自身も生身で漂流した経験があり、「被災者の気持ちはよく分かっている」と語る。「大船渡がロケ地ということもあり、上映会はどうしても行いたかった。地元の人に映画を届けながら、被災者の支援にもつなげたいと思い、収益金の寄付を決めた。どちらの願いもかなえる結果になってくれていたらうれしい」と話していた。(栗村勇翼)