幻想的な光景広がる 千葉さん方のフジ棚見頃

▲ 見頃を迎えたフジを見上げ会話を弾ませる来訪者

 陸前高田市米崎町字佐野20の千葉豊之さん(78)方の庭に咲く紫のフジが、見頃を迎えている。整備されたフジ棚では、満開を間近に控える白い花もあり、青空に映える幻想的な光景で来訪者の目を楽しませている。
 千葉さん方のフジ棚は、10年ほど前に102歳で亡くなった千葉さんの母・フカヘさんが苗を植えたのが始まりという。縦横それぞれ十数㍍に及び、樹齢は紫が80年、白が70年ほど。現在は千葉さん夫妻が毎年花摘みなどを行い、愛情をこめて整備している。
 開花を迎えるこの時期は、花や写真の愛好家らが市内外から訪れる。昨年より遅めの開花となった今年は「ゴールデンウイーク開け、まだ花の開き始めのころから見学に訪れる人たちがいた」とする。
 14日午前は、地元の保育園児や、常連となっている大船渡市末崎町の居場所ハウスの関係者らが来訪。八分咲きとなった紫のフジや、房を膨らませ今にも開花しそうな白のフジに目を向け、「甘い香りがする」「白が満開になる頃にまた来たい」などと会話を弾ませた。
 2色のフジの見頃が重なる時期には、夜間のライトアップを行う予定。17日(土)以降を見込み、点灯時間は午後7時~9時とする。
 千葉さんは「例年より房が短めという印象だが、今年もきれいに咲いてくれた。話好きだった母が残してくれたフジ。誰でも見学可能で、見に来た際には一声かけてもらえるとうれしい」と話していた。