「かっこ花」に親しんで 町制施行70周年記念事業の一環 役場内にアツモリソウ展示 23日まで(別写真あり)

▲ 役場内に展示されているアツモリソウ

 住田町は23日(金)まで、町制施行70周年記念事業の一環として、役場内で町花・アツモリソウの展示会を開いている。町内の栽培者らが手塩にかけて育てたアツモリソウがズラリと並んで庁舎内に彩りを添え、訪れた町民たちの目を楽しませている。
 アツモリソウは山地の草原に生息するラン科の多年草で、その美しい花姿から「山野草の女王」とも呼ばれる。町内ではカッコウが鳴く5月中旬から6月にかけて花を咲かせることから、「かっこ花」の愛称で親しまれており、町は昭和60年の町制施行30周年記念事業として町の花に制定した。
 一方で、自生地である採草地の環境変化や盗掘などによって数が減少。町は、「種の保存法」により特定国内希少野生動植物に指定されているアツモリソウを町の〝宝〟として位置づけ、増殖事業や保護・保存活動に取り組んでいる。
 展示会もその一環。例年は道の駅種山ヶ原ぽらんでのみ開催してきたが、今年は町制施行70周年の記念事業にも位置づけ、町の取り組みを広くPRし、アツモリソウについて知ってもらおうと役場にも展示している。
 会場には各日、町内の愛好者らが育てた10鉢前後を展示していく予定。町がこれまで行ってきたアツモリソウの保護・増殖に関する取り組みも紹介している。
 展示初日の19日は、来庁者が足を止めて美しい花弁を眺めながら、〝町のシンボル〟をめでていった。
 見学は開庁時間(午前8時30分~午後5時15分)に可能。町農政商工課では「これを機会に、ぜひアツモリソウをご覧いただき、関心を持ってもらえれば」と、多くの来庁を呼びかけている。