立教大サテライト新設へ 職業訓練校内 7月13日に開所式実施

▲ 立教大陸前高田サテライトが開設される陸前高田高等職業訓練校

 立教大学(西原廉太総長、本部・東京都)の陸前高田サテライトが、陸前高田市高田町の陸前高田高等職業訓練校内に開設されることが決まった。東日本大震災前から市内で活動し、市民との交流が深い立教大生の正課・正課外教育プログラムの拠点となる。開所式は7月13日(日)に行われ、記念のシンポジウムも予定している。(高橋 信)

 

 立教大陸前高田サテライトの開設は、21日に開かれた市議会全員協議会で、市当局が説明した。
 市によると、開所式は同訓練校で行い、看板を掲げる。式典後、高田町の市コミュニティホールに会場を移し、記念シンポジウムを開催する計画。シンポジウムは詳細が決まり次第、市広報などで周知する。
 立教大がこれまでに同市で手掛けてきた正課・正課外の教育プログラムは、スタンフォード大など海外大学の学生とともに震災被災地の現状を学ぶ「陸前高田プロジェクト」、SDGsの取り組みを学習する「立教サービスラーニング(RSL)」など。
 職業訓練校は、これら各種プログラムを実施する際に間借りする形で活用する。使用は訓練校の授業が行われない場合に限り、6月1日(日)から利用できることとする。
 同大は平成15年から、矢作町の生出地区で林業体験プログラムを展開。東日本大震災後は学内に復興支援本部を立ち上げ、同市を重点支援地域に指定し、学生・教職員が一丸となった〝オール立教〟の支援態勢を構築した。
 大学と市は24年、多様な分野で長期的に連携・協力しようと協定を締結。これを機に、地元小学生向けのバレーボール、中学生向けの野球教室に乗り出すなど、陸前高田をフィールドとする学生プログラムを充実させた。
 29年には、岩手大(本部・盛岡市)との共同で米崎町の空き校舎を活用し、学生と市民らとの交流拠点「陸前高田グローバルキャンパス」を開設。関東を代表する私大と、県内唯一の国立大がタッグを組み、大学機能を置かないまちで新たなキャンパスを設けるという異例のプロジェクトが動き出し、年間で最大5837人の学生らが利用した。
 同キャンパスは令和6年度末に閉所。両大は本年度から、学生が陸前高田の地域課題などを考える「合同授業」を本格的に実施する。
 こうした状況を踏まえ、立教大は新たな単独の拠点を確保するべく、市と協議。利便性の高い好立地の市有施設として職業訓練校に決まった。
 佐々木拓市長は「震災から14年がたち、ハード復旧を終えようとしている状況下、立教大が新たなステージで活動することは大変歓迎すべきことであり、感謝している。市としても可能な限り支援したいし、立教大のように陸前高田で活動する動きが他大学にも広がっていくことを期待している」と述べた。