白石峠区間の早期着工を 大船渡で国道107号整備促進同盟会総会 本年度も要望活動計画

▲ 本年度事業計画などを決定した総会

 一般国道107号(大船渡・遠野間)整備促進並びに大船渡内陸道路(仮称)高規格化実現期成同盟会の令和7年度総会は22日、大船渡市盛町のリアスホールで開かれた。同市と住田町境で計画されている新白石トンネルの早期着工や、大船渡内陸道路の早期計画策定などを訴える決議を採択。本年度も、国や県などへの要望活動を行う。
 同盟会は気仙3市町や遠野市、北上市、奥州市、花巻市をはじめ行政や議会、商議所、各種産業団体などで構成。この日は約40人が出席した。
 会長を務める渕上清市長は「昨年度は皆さんのご協力もあり、決起大会を開催できた。今後も地域が一体となり、国や県への働きかけを行いたい」とあいさつ。達増拓也知事の祝辞が紹介された。
 議事では、6年度事業報告と収支決算を認定。7年度事業計画や負担金、収支予算、決議は、いずれも原案通り決定した。
 決議では、住民生活や経済活動を支える道路の計画的整備や、高規格化に向けた要望内容を確認。白石峠区間改良整備の早期着工や大船渡内陸道路の早期計画策定に加え、未改良区間の早期事業化も求める。
 重要物流道路や、生活・物流拠点のネットワークを中心に、機能強化や補助事業による重点整備を強調。車両の安全通行はもちろん、災害時の地域間輸送、救急病院への確実な搬送確保などを担う役割にも触れ、予算確保を訴える。7月には県、国各機関に対して要望活動を行う。
 議事後には、県沿岸広域振興局大船渡土木センターの吉田健一所長が、国道107号に関する事業状況を説明。このうち、白石峠に関しては、地質調査とトンネル詳細設計、橋梁予備設計が6年度に完了。7年度は、6年度から継続して実施している橋梁詳細設計とトンネル設備設計に加え、用地調査にも入ることにしている。
 総会終了後、大船渡港物流強化促進協議会の物流強化支援アドバイザーも務める東北汽船港運業務部の吉田裕一業務課長が「大船渡の進化に重要となる道路整備について」と題して講演。大船渡湾内は静穏性が高く、悪天候時にも寄港スケジュールが影響を受けにくいなど、船舶からの信頼性が高い強みを挙げ、道路整備によるさらなる物流強化や地域経済発展への期待を込めた。
 国道107号のうち大船渡市盛町の権現堂交差点から釜石自動車道宮守インターチェンジ間の約43㌔は、白石峠や荷沢峠など急カーブや急勾配が続き、安全で安心な通行を阻害する要因が多い。救急搬送や精密機器輸送は路面状況に左右されやすく、冬期間は自動車事故も多い。
 令和4年度、県は新たなトンネル整備を含む全長2・7㌔の白石峠区間を事業化。高規格化に関しては3年6月、県が策定した新広域交通計画で現在の国道107号に重なる形で構想路線・大船渡内陸道路が搭載された。高規格道は、おおむね時速60㌔以上の速度サービス提供を求める。