入洞者2万人を達成 上有住の滝観洞 観光センター新装後1年余で
令和7年5月24日付 7面

住田町上有住の観光地・滝観洞の入洞者が23日、昨年4月末の滝観洞観光センターリニューアルオープンから数えて2万人を突破した。昨年11月には1万5000人を達成しており、2年目となる今年も入り込みは好調。さらなるにぎわい創出に向けて、センターを指定管理する住田観光開発㈱(松田栄社長)では、引き続き積極的な情報発信やイベント企画によるPRを図っていく。(清水辰彦)
新築オープンから2万人目の入洞者となったのは、静岡県富士市から訪れた佐々木満智雄さん(58)、佳代さん(52)、智央さん(25)一家。満智雄さんが本県出身という縁から、平泉町や花巻市、宮古市を巡っており、道中で滝観洞を訪問。一家には、町産スギで作られた木製の盾や町特産品セットが贈呈された。
智央さんは「2万人目というのは驚いたが、思い出に残るのでうれしい。ここは自然豊かで、新しい施設も木の雰囲気がとても良いと思う。滝観洞に入るのも楽しみ」と話し、その後の洞内探検も存分に満喫した。
滝観洞は全長3635㍍、高低差115㍍におよぶ国内屈指の鍾乳洞で、洞部にはライトアップされた鍾乳石が輝き、ダイナミックな造形の岩肌や地下水などによる神秘的な光景が続く。洞口から約880㍍地点には高さ約60㍍に及ぶドーム型の空間があり、その天井部の裂け目から落差29㍍の「天の岩戸の滝」が注ぐ。昭和41年に洞窟開きが行われて以来、滝観洞観光センターとともに、町が誇る観光資源として広く親しまれている。
滝観洞観光センターは、老朽化に伴って新築工事が行われ、昨年4月27日にリニューアルオープン。新施設は地場産の木材を積極的に使用し、2階建ての施設の1階には物販スペースや受付カウンターなど、2階には食堂や滝観洞の名物「滝流しそば」の体験スペース、テラスを整備。リニューアル後、住田観光開発では積極的な発信を行っており、その成果もあって県内外から多くの観光客が足を運んでいる。券売機やホームページも多言語表記するなどインバウンド対応にも力を入れ、外国人観光客も大きく伸びている。
リニューアル2年目を迎えた本年度も入り込みは好調で、ゴールデンウイーク中にはおよそ1800人が訪れてにぎわった。
住田観光開発の千葉孝文専務は「2万人を達成したが、これからがシーズン本番。夏休み時期にもしっかりと集客できるよう積極的にPRしていきたい」と、さらなる誘客へ力を込める。