感謝と地域のパワー発信 大規模林野火災の復旧・復興支援に おおふなと元気フェス 多彩なブースに多くの来場者(別写真あり)

▲ 綾里ワカメの芯抜き体験ができるカフェなどが行われた「おおふなと元気フェス」

 大船渡市で発生した大規模林野火災を受け、各地から寄せられた復旧・復興支援への感謝と、地域の元気を届けようとのイベント「おおふなと元気フェス!」は25日、大船渡町のおおふなぽーとで開かれた。市内で復旧・復興支援活動を行う市内の7団体が共催し、市内外の協力団体とともに多彩なブースを開設。親子連れを中心に世代を超えた約500人が笑顔でイベントを楽しみ、改めて感謝の思いと地域のパワーを発信した。(三浦佳恵)


 同フェスは林野火災発生後、市内の催しや地域行事が自粛ムードとなる中、市民が笑顔で元気になる機会を設け、全国に支援への感謝と現在の姿を伝え、さらなるつながりの強化を図ろうと企画。同市のNPO法人おはなしころりん、㈱山海畑、市社会福祉協議会、すけだちBOOKS、NPO法人きょうせい大船渡、NPO法人さんりくWELLNESS、気仙地区広域学生奉仕団が共催し、市内外の十数団体が協力した。
 この日は心配されていた雨も開幕前にあがり、オープン時から多くの人々が来場。おおふなぽーと全館を会場に、共催、協力団体が12のブースを設けた。
 同館前の多目的広場には市内で飼育されているヤギの親子3頭が登場し、触れ合い体験などが行われた。来場者らはヤギたちに「かわいいね」と目を細め、エサをあげたり、背中をなでるなどして楽しんだ。
 1階のピロティでは、子ども向けの縁日コーナー、ワカメ芯抜きカフェを開設。カフェでは、林野火災で被災した三陸町綾里地区で生産されたワカメの販売や芯抜き体験が行われ、参加者らは作業のコツ、芯の食べ方などを教わり、被災地域の現状などにも触れた。
 施設2階では、カブトムシの幼虫プレゼントに親子らが列をつくったほか、成長記録にもなる手形作り、木製おもちゃやエア遊具などの遊び場が子どもたちの人気を集めた。古本市、機織り体験会、ストレッチ体操教室、ハンドマッサージは大人の関心も高く、菓子やフラワーアレンジメントなどを買い求める人たちの姿も見られた。
 ヤギとの触れ合いやワカメ芯抜きなどを体験した陸前高田市矢作町の藤井珠愛さん(高田第一中1年)は、「芯抜き体験は2回目。綾里のワカメは作業がしやすく、ほめてくれるのでやる気も出て楽しかった。ワカメを食べて綾里を応援したい」と話していた。
 共催団体の一つである気仙地区広域学生奉仕団は、高校生たちが市内外から駆けつけた支援者らとともに、ミニボウリングや方言トランプでの遊びを提供。金野恵人団長(住田高2年)は、「思った以上に盛り上がり、みんなで団結して開催できたのがうれしい。努力した結果が子どもたちの笑顔につながっていると思う」と、充実した表情を見せた。
 おはなしころりんの江刺由紀子理事長は「大船渡の皆さんに元気になってほしいと企画した。多くの方々が来場し、笑顔が並んでよかった。支援をいただいた日本中に感謝を発信したい」と話し、支援活動の充実に向けた各団体間の連携強化にも期待を寄せていた。