スポーツを通して元気を HEROsのアスリートら 赤崎小訪問、きょう綾里小へ(別写真あり)

▲ ラグビーボールを使ったゲームを楽しむ児童ら

 公益財団法人日本財団(笹川陽平会長)のアスリートによる社会貢献活動推進を目的とした「HEROs」の災害支援チームは28日、大船渡市大規模林野火災にかかる復興支援活動の一環で、赤崎町の赤崎小学校(高室敬校長、児童110人)を訪問し、スポーツを通して児童らに元気を届けた。
 HEROsは、アスリートによる社会貢献活動を推進することで、スポーツでつながる多くの人の共感と行動の輪を広げるため、アスリートに活動・学びの場を提供するとともに、活動の表彰、発信などに取り組んでいる。現在、約60競技から300人を超えるアスリートが賛同しており、令和6年の活動日数は143日にわたった。
 同日は、宮城県出身で高校3年時に東日本大震災を経験した元テニスプレーヤーの笹原龍さん(32)をはじめ、ラグビー元日本代表の林泰基さん、プロフットバッグプレーヤーの石田太志さん、元プロスノーボーダーの成田童夢さんら、東北の地に思い入れのあるアスリートを中心に訪問。
 低、中、高学年に分かれてそれぞれスポーツ交流プログラムを実施。フットバッグ、ドッヂビー、ラグビーを楽しんだ。
 このうちフットバッグは、直径5㌢ほどのバッグを手や腕を使わず、主に足で蹴る競技。児童らは、片足で立ち、浮かせた足にバッグを乗せた体勢を維持したり、バッグを落として片足でキャッチするなどの動作に挑戦。バッグの受け方、コントロールする難しさなど、競技の奥深さ体感しながら楽しんだ。
 石田さんが、音楽に合わせてパフォーマンスを披露する場面もあり、軽い身のこなしと繊細な足さばきに歓声が上がった。
 各競技の体験後には、アスリートらが「どんなことでも、まずは1回挑戦してみることが大切」「スポーツに限らず、何かに挑戦する時は、自分自身で『やりきった』と思えるまで続けてみてほしい」などと、それぞれの言葉で児童らにエールを送った。
 山口夢翔さん(2年)は「フットバッグに触れるのは初めてで、難しかったけど楽しかった。またやってみたい」と話していた。
 現役を退いた直後からHEROsの活動に参加している笹原さんは、「活動に賛同したのは、自分自身の東日本大震災の経験が大きく、特に子どもたちに向けて何かしてあげたいという気持ちが強い。今回の火災も、何が被災地の子どもたちのためになるのかと考え、スポーツを通して元気を届けようと訪問を決めた。たくさんの笑顔を見させてもらえたので良かった」と話していた。
 HEROsは29日、三陸町綾里の綾里小学校でも同様のプログラムを実施する。また、今後は被災地、被災者の現状調査などを通してニーズの把握に努め、さらなる支援の展開に向けて動く方針。(栗村勇翼)