綾里まちづくり委が発足 地区運営組織が設立総会 8月に「夏祭り」復活へ
令和7年5月30日付 1面

大船渡市三陸町綾里の地区運営組織・綾里地区まちづくり委員会の設立総会は28日夜、綾姫ホールで開かれた。住民ワークショップで取りまとめた方向性を反映した地区づくり計画書では「未来へとまっすぐつなぐ綾里愛」を掲げ、地区公民館やまちづくり委員会、助け合い協議会の各活動を一体化させる。8月には、20代〜30代の若者が中心となり、コロナ禍以降途絶えていた「綾里夏祭り」の復活を目指す。
総会には、地区内各組織の関係者ら約30人が出席。冒頭、地区公民館運営委員会の佐藤次夫委員長が「新たな活動に向け、担当職員だけでは運営は大変。皆さんのご協力を」、助け合い協議会の炭釜勝士会長は「地区住民総参加でまい進していきたい」とそれぞれあいさつした。
両組織の6年度事業報告に続き、協議では▽綾里地区まちづくり委員会の設立▽地区づくり計画策定▽7年度事業計画、一般会計予算▽役員選任──などを協議し、いずれも原案通り決定した。委員長には、村上芳春地区公民館長が就任した。
地区づくり計画は、6年度まで実施した50歳以下の住民を対象としたワークショップ「みんなで考えよう綾里の明日」で導き出した方向性や振興策をもとに、住民主体の持続可能な活動推進を目指すもの。目指す将来像は「未来へとまっすぐつなぐ綾里愛」とし、基本方針にはコミュニティーの活性化や暮らしの安全・安心の確保、にぎわいの創出、助け合い活動、生涯学習の推進を掲げる。
7年度事業計画は、基本方針に基づいた事業を展開。このうち、にぎわいの創出に関しては「かばねやまずにきしゃっせん!綾里は意外と楽しいぞ!」をキャッチフレーズに、地区内外の交流促進や関係人口、交流人口の増加を目指すことにしている。
ワークショップでの議論をもとに、これまで途絶えていた「夏祭り」を8月14日(木)に綾里小学校の校庭で計画。12月には災害時の対応を学ぶ防災学習会、1月には新年交賀会の開催を見据える。綾里大権現の継承、維持管理にも取り組む。
「綾里夏祭り」はお盆の時期に合わせ、旧綾里中卒業生のうち25歳の同窓生が企画・運営を手掛ける。東日本大震災があった平成23年も休止せず続いた。令和元年に100回を迎え、コロナ禍の令和2年から途絶えていたが、ワークショップなどを通じて復活に向けた機運が高まっていた。
101回の同窓生に当たる木下拓さん(29)は、出席者を前に復活への思いを語った。「火災で開催を見合わせることも考えたが、こんな状況だからこそ、楽しく盛り上がる場をつくりたい」と述べ、理解を求めた。クラウドファンディングを通じて地元外にも協力を呼びかける。
同委員会は、6月から活動が本格化。当初は3月に総会を計画し、4月からの活動を見据えていたが、大規模林野火災の影響で遅れていた。