道中踊りの区域拡大へ 三陸・大船渡夏まつり実行委が総会 8月1、2日開催「復興祈念」の位置づけも

 大船渡市の三陸・大船渡夏まつり実行委員会(委員長・米谷春夫㈱マイヤ会長)は29日、令和7年度総会を盛町の大船渡商工会議所で開き、本年度のまつり事業計画などを決定した。日程は8月1(金)、2(土)の2日間。2日の市民道中踊りは、ここ数年実施場所としている県道丸森権現堂線に加え、港湾側につながる道路も活用するなど、区域を拡大する方針。花火大会は、大規模林野火災の「復興祈念」と位置づけ、地元外からも広く協賛を得ながら、例年以上の活気創出を目指す。(佐藤 壮)


 実行委員会は市内の行政、事業所、警察、消防、各種団体の関係者らで構成。約50人が出席した。
 あいさつで米谷委員長は「花火のスケールアップには資金的に難しい面があるが、せめて道中踊りは従来以上ににぎやかなものにしたい。かつては2800人の参加があったが、昨年は800人。最低でも1000人規模にしたい」と意欲を示した。
 近年の「働き方改革」や従業員の意識変化などによる事業者側の動員の苦労に言及した一方で「依頼に回った各企業からは、色よい返事もある」と発言。毎年出ている企業のグループ事業所や外国人研修生の動員、高校生の積極的な参加なども挙げ、活気あるまつりへの協力を求めた。

一昨年、昨年と県道で実施している道中踊り。今年は区域拡大を検討(昨年の様子)

 議事では6年度の事業報告と収支決算を審議し、いずれも承認。引き続き、7年度の事業計画案と収支予算案を協議し、原案通り決めた。
 決算によると、企業協賛は411事業所から計1005万円。市民花火協賛金は793人から計118万円が集まった。協賛事業所、花火への協賛市民とも5年度よりも増加した。
 本年度の事業計画では、6年度からの変更点を確認。大船渡湾内の沖台船2隻から打ち上げる花火大会は昨年よりも30分早め、午後7時30分からとする。市民協賛花火「スターマイン」の打ち上げは、オープニングで実施。茶屋前岸壁内の対岸に位置するイルミネーションの拡大も行う。
 沖台船は、みなと公園に近づけ、より迫力が出る演出を目指す。昨年好評を博した茶屋前岸壁側への水中花火も行うことにしている。さらに、大規模林野火災の「復興祈念」と銘打ち、地元外の個人・団体を含め、これまで以上に広く協賛を呼びかける。
 有料駐車場は茶屋前岸壁内の北側や、旧日通跡地などに拡大。みなと公園最前列に1マス4~5人の有料観覧席を30マス程度設けるほか、県大船渡土木センターと連携した公共空間利活用事業の一環で、同岸壁内北側に昨年も設けたファミリースペースを拡大する。
 道中踊りは、参加者の増加が見込まれることから、区間を拡大。昨年は、県道丸森権現堂線のうちキャッセン大船渡前交差点~気仙丸陸上展示場付近交差点の約300㍍で行っていたが、現段階の検討では、露店などが並ぶ夢海公園につながる道路にも踊りの列を広げることにしている。
 夏まつりは「海のまち・大船渡」を代表する一大イベント。震災が発生した平成23年は中止されたが、24年に再開後は復興の歩みを発信する役割も果たしてきた。
 令和2年は新型コロナウイルスの影響でまつり自体が中止。3年は、規模を縮小し、海上七夕船による湾内巡航と花火大会を行った。4年から臨港道路で市民道中踊りが行われ、一昨年から県道が中心となっている。
 今後は各部会による準備が本格化。実行委ではこの日、令和8年度の夏まつりは、来年7月31日(金)と8月1日(土)に行うことも決めた。
 現段階のスケジュール案は別掲。