避難所利用者ゼロに 大規模林野火災 県立福祉の里セも閉鎖(別写真あり)
令和7年5月31日付 1面

大船渡市は30日、大規模林野火災に伴い立根町の県立福祉の里センターに開設していた避難所を閉鎖した。三陸町綾里の全域や赤崎町の広範囲に避難指示を出した3月7日には12カ所に計1249人が身を寄せていたが、仮設住宅への入居が進み、避難所利用者はゼロとなった。
大規模林野火災は2月26日に発生し、同日、三陸町綾里の全域と赤崎町合足地域に避難指示が出された。翌27日に赤崎町の蛸ノ浦地区全域に避難指示が拡大したことを受け、同センターにも避難所が開設された。
3月7日に同町の中赤崎地域にも避難指示が出されると、利用者は130人を超えた。センター内では当初、1階の多目的ホールと2階の大広間で迎え入れたが、開設初日の夜には2階の研修室を障害者を持つ家族や車いす利用の世帯などに開放した。
同センターには入浴機能もあり、10日に全域で避難指示が解除された後も、避難所利用が続いた。子どもがいる世帯や、早朝に仕事でセンターを出る避難者に配慮した部屋割りも行ったという。
民間賃貸住宅などの「みなし仮設」や公営住宅に加え、今月後半からは赤崎町と綾里では建設型の仮設住宅入居が進み、避難者は次第に減少。29日夜に最後の1人が利用を終え、30日は午前から市職員が物品整理などに当たった。
同センターは、社会福祉法人大洋会(白木澤太一理事長)が指定管理者となっている。佐藤直人所長は「避難されている方が寒くならないよう空調に気を配るなど、少しでも過ごしやすい環境を目指してきた。さまざまな部屋がある福祉の里センターの機能が生かされたと思う。一つの区切りを迎えられたことはほっとしている」と語る。
6月2日(月)に、市による物品撤去が本格化。4日(水)には多目的ホールや研修室、宿泊などの一般利用を再開することにしている。
渕上清市長は「最後の避難所を閉鎖するに当たり、これまで、避難所の運営に携わった関係者に感謝する。避難されていた方々が応急仮設住宅やみなし仮設住宅等へ入居し、日常生活を取り戻しつつあり、生活も一区切りとなるところだが、市としては本格的な生活再建に向け、今後も被災者に寄り添って丁寧に対応する」とコメントした。
避難所閉鎖を受け、入浴支援は終了。これまで実施していた市内で運行する県交通路線バス用の無料券配布も行わない。