海開き前に大野海岸清掃 児童・生徒と住民ら協力 地震・津波想定の避難訓練も(別写真あり)

▲ 海岸に漂着したごみや海藻などの回収に協力し合う参加者ら

 陸前高田市広田町の大野海岸で3日、広田小学校(吉田和浩校長、児童86人)や市などによる清掃活動と避難訓練が行われた。幅広い世代の地域住民が7月19日(土)の海開きを控える砂浜の景観美化に向けて協力。海水浴期間中の大地震発生を想定した訓練では、高台への避難ルートや心構えを全員で確認し合った。(阿部仁志)

 

避難訓練では高校生が先導して小学生の安全にも気を配った

 大野海岸清掃は、この時期恒例のもの。学校や地域が一体となって実施し、東日本大震災後は、大地震と津波発生を想定した避難訓練も合わせて行っている。
 この日は、広田小の全校児童と県立高田高校海洋システム科の生徒、町民有志、市、市観光物産協会の関係者ら総勢約200人が参加。開会式では、広田小JRC委員長の大和田真桜さん(6年)が「大野海岸に来る人たちが気持ち良く過ごせるよう、みんなで力を合わせてきれいにしよう」と呼びかけた。
 引き続き清掃に移り、砂浜に漂着したごみや流木、海藻の収集に力を合わせた。防潮堤の隙間から伸びる雑草もきれいに除去し、終わるころにはすっきりとした景観が広がった。
 午前11時15分には防災無線で訓練放送が鳴り、大地震発生と大津波警報の発令を受けて、高台にある大野公民館へと移動。防潮堤には津波警報周知用の「津波フラッグ」が掲揚され、参加者らに速やかな避難を促した。避難中は高校生が先導し、児童が遅れていないか後方を何度も確認しながら進んだ。
 同公民館に到着後、市防災課の熊谷剛課長補佐(43)は、避難時の合言葉「おはしも」(押さない、走らない、しゃべらない、戻らない)を守っていたことや、高校生を筆頭に安全に気をつけて行動していたことを評価。そのうえで「今回は放送のあとで人が集まるのを待っていた時間があったが、大きな揺れが起きたら、待たずにただちに海岸を離れて避難を」と強調していた。
 広田小の鈴木結媛さん(6年)は「大野海岸にはよく友達と遊びに来る。清掃活動できれいになって気持ちいい。もしも大きな地震が発生したら、すぐに行動したい」と語った。
 高田高の菅野大輝さん(3年)は「避難訓練では、指示が小学生、特に低学年にも伝わるよう心がけた。実際の災害発生時はパニックになると思うので、今回の訓練を思い出して落ち着いて行動したい」と気を引き締めていた。