三面椿「回復している」 7年ぶり樹勢診断 来年3月の全国椿サミットに弾み(別写真あり)

▲ 三面椿の現状を確認する松枝氏(手前)

 大船渡市末崎町中森に鎮座する熊野神社(志田隆人宮司)境内にあり、ヤブツバキでは国内最大・最古を誇る「大船渡の三面椿」について、市は3、4の両日、樹勢診断を行った。平成30年5月以来7年ぶりで、今回も石川県の樹木医・松枝章氏(83)が訪れ、樹勢に関して「回復している」との見解を示した、関係者は来年3月の全国椿サミットに向けた弾みと受け止めながら、さらなる管理保全の充実を誓い合った。(佐藤 壮)

 

 樹勢診断は、衰えが指摘される三面椿の現状を把握し、今後の管理保全などにつなげようと実施。松枝氏に加え、市教育委員会職員や大船渡ツバキ協会の関係者らも同行した。
 石川県白山市にある愛樹技術士研究所の所長を務める松枝氏は、日本樹木医会や日本ツバキ協会に所属し、古木のツバキ診断や樹勢管理指導で知られる。東京都利島椿研究会で顧問も務める。
 現地では、葉や幹の状態に加え、根の張り具合や枝を支える支柱などをくまなく調査。今後の管理方法などに関してもアドバイスを送った。
 7年前との診断時と比較し、松枝氏は「回復しているので、とてもうれしく思う。葉の量や色つやがいいし、新しい枝も伸びている。枝先に(成長に影響を及ぼす)コケの付着も見られるが、量は多くない」と語った。三面椿の根元部分から伸びる〝ひこばえ〟も順調に成長しているという。
 一方で、境内に咲くサクラや、神社近くの竹林が生い茂ることで、日陰が生まれる環境変化に懸念を示した。「樹木は1本だけで育っているのではない。全部が関わっている」と語った。枝を支える支柱の取り付け方法にも助言したほか、根部分に負担をかけない位置から見学する必要性も指摘した。
 前回の樹勢診断以降、神社境内では、三面椿を囲む石垣の撤去工事を進めた。石垣で仕切ることによって、葉が生い茂る部分は人々が往来でき、根の部分を踏み固めることで負担が懸念されていた。さらに、松枝氏のアドバイスを受け、堆肥にも気を配ってきた。
 関係機関や各種団体の協力も得ながら地道な管理保全が続く中、志田宮司(57)は「回復していると聞き、ほっとしている。椿サミットもあり、多くの方々に見ていただきたい。日本一はもちろん、世界一のツバキだと思っている」と話す。
 「大船渡の三面椿」は昭和44年6月に県指定天然記念物に指定され、樹齢は770年余(約1400年との説もある)と推測される。令和3年には日本ツバキ協会の優秀古木ツバキに、昨年度には国際ツバキ協会(ICS)による「優秀古木・銘木」の認定を受けた。
 現在の樹高は約10㍍で、枝張りは東西12㍍、南北13㍍。6支幹に分岐しており、株元の幹回りは8㍍。3月上旬~5月初旬に花期を迎える。14年前の東日本大震災では浸水被害を免れ、幾多の津波を乗り越えてきた地域の誇りや、復興の象徴でもあり続ける。
 大船渡市を会場とした「第36回全国椿サミット大船渡大会」は、来年3月14日(土)と15日(日)に開かれる。市内では平成12年以来26年ぶりで、震災とコロナ禍による2度の中止を経ての開催となる。
 全国椿サミット協議会理事会・総会や日本ツバキ協会通常総会に続き、サミットでは開会行事や記念講演、交流会に加え、世界の椿館・碁石などがある碁石海岸などの現地視察が行われる見込み。大会の参加目標は1000人で、サミットへの参加申込者は200人とみている。