郷土の料理レシピ集完成 市保健課 市立図書館企画展で周知

▲ 料理レシピ集の完成を周知する市立図書館内特設コーナー

 陸前高田市福祉部保健課は、同市の料理レシピ集「たがだの うんめぇもの」を発行し、市立図書館や各地区コミュニティセンターなど関係機関への配布を始めた。地元食材を使った四季折々の品や郷土料理のレシピ60品余りを紹介している。同課では「食べる楽しさを感じ、陸前高田の味を次世代へ伝えていくきっかけに」と活用を願っている。(阿部仁志)

 

 冊子はA4判フルカラー、90㌻。市の食育推進事業の一環で今年3月に300部を発行し、図書館とコミュニティセンターのほか、学校、保育所・園などに配布している。
 レシピは、四季と通年の項目に分けて紹介。「わらびのめんつゆ漬け」「ほやときゅうりの酢の物」「さんまのすり身汁」「ヤーコンの椿油ドレッシングあえ」など旬の食材を使った料理や、「ひっつみ汁」「がんづき」などといった郷土料理、菓子の材料、作り方が掲載されている。
 タケノコやメカブの下処理、おふかしの機器の準備、あんこの作り方を説明するページもあり、初めての調理でつまずきやすい部分をフォロー。各ページにある「ワンポイント」のコーナーでは、料理をよりおいしくするためのこつやおすすめの調理法、レシピが生まれた経緯などをコラム形式で紹介し、幅広い世代が読みやすいようレイアウトにも工夫を凝らした。
 制作にあたっては、市食生活改善推進員協議会や陸前高田まちづくり協働センターの関係者、地域の管理栄養士、栄養士、レシピ発案者らが協力。同市の食に関わる過去の文献も参考に内容を練った。
 6月の「食育月間」に合わせ、高田町の市立図書館では今月末まで、レシピ集完成の周知を兼ねた企画展示を実施。レシピ集や、食育関連の蔵書を貸し出しているほか、冊子に掲載されている菓子類のレシピを紹介する持ち帰り用の紙を無償で配布している。
 7日現在、レシピ集は貸し出し用3冊がすでに借りられている状態。館内閲覧用は2冊あり、同館では「閲覧を希望する方は職員に声がけを」と呼びかける。
 保健課栄養士の永山智絵さん(36)は、冊子を発刊した関係者に感謝し、「若い世代をはじめ、レシピ集を見た人が自然に調理をしたり地元の食文化に触れるツールになればうれしい。魅力ある地元食材の周知や普及、郷土料理の伝承につながってほしい」と語る。
 同月間の企画展に関しては「食が豊富で自由に選択できる時代だからこそ、悪い方を選ばないよう考えることが大事。食のバランスについて説明しているチラシや展示本などが、そのきっかけになれば」と活用を呼びかけている。
 同課では後日、冊子の内容を市の公式ホームページでも公開する予定。問い合わせは同課(℡54・2111)へ。