初日は議案4件承認、可決 当局 投票所への移動支援、脱炭素化実験などの補正案提出 市議会定例会が開会

▲ 市議会6月定例会が開会

 陸前高田市議会の6月定例会は、12日に開会した。日程を27日(金)までの16日間と決め、市当局は議案12件を提出。令和7年度一般会計補正予算案には、7月20日(日)の投開票が想定される参院選で投票所までタクシーで移動する際の経費を一部補助する支援策や、脱炭素化に向けた実証実験の関連費などを盛り込む。初日は議案4件を承認、可決した。(高橋 信)


 この日承認、可決されたのは、6年度一般会計補正予算や条例案一部改正の専決処分、財産取得の計4件。
 このうち、財産の取得は高規格救急自動車1台の導入費。取得予定額は2629万円で、市消防本部に配備される。
 残る執行前提案1件、条例案2件、補正予算案5件の議案8件は、予算等特別委(議長を除く全議員で構成)に審査を付託した。
 7年度一般会計補正予算案は、歳入歳出に2億6596万円を追加し、補正後の総額を174億5541万円とする。
 主な歳出は▽物価高騰対策緊急支援給付金事業費5378万円▽公共土木施設災害復旧事業費4700万円▽道路橋りょう災害復旧事業費3600万円▽みどりの食料システム戦略緊急対策補助金363万円▽参院選事務費327万円▽シンガポール市民訪問団派遣業務委託料222万円──。
 物価高騰対策緊急支援給付金は、国が昨年実施した定額減税に関し、減税しきれなかった不足分を給付するもの。対象は1500人程度を見込んでいる。
 公共土木施設、道路橋りょうの災害復旧費は、ともに4月中旬の大雨により、河川の護岸や道路ののり面が崩れるなどの被害を受けたため盛り込んだ。
 みどりの食料システム戦略緊急対策は、脱炭素化を推し進めるメタン発酵バイオガス発電設備の導入に先立ち、実証実験を行う費用として計上した。同設備は生ゴミや下水汚泥を原料に発電するもので、実証実験では仮設の機械を用いて、発電後に残る消化液を液肥として農家に供給し、農作に有効か確かめる。実験は市から補助金を交付された民間企業が実施する見通し。
 参院選事務費には、7月3日(木)の公示、20日の投開票が想定される同選挙に向け、市選管が新たに計画する移動支援策の関連費などを盛り込んでいる。期日前投票や当日投票でタクシーで移動する有権者に割引券を配り、負担を軽減する内容。割引券は全ての有権者に投票所入場券と一緒に郵送する方向で検討している。
 シンガポール市民訪問団の派遣は東日本大震災後、同国から手厚い財政支援などを受けたことから、市民らが現地を訪れ、感謝を伝えるととに交流を深めようと実施する。