今年も高田松原で開催へ 8月にフレスコボール公式戦 岩手大の同好会も練習に熱
令和7年6月26日付 7面

ビーチスポーツ・フレスコボールの公式戦「リクゼンタカタカップ」(日本フレスコボール協会主催)は8月9(土)、10(日)の両日、陸前高田市の高田松原で開かれる。4年連続の開催が決まり、気仙内外の愛好者らが出場に向けて練習に熱を入れている。同市との縁から生まれた岩手大学の同好会「AMENIMOMAKE'S」(アメニモマケズ)のメンバーも参加を控えており、若い力を大会に注いで陸前高田の夏を一緒に盛り上げる。(阿部仁志)
フレスコボールは、2人一組でゴム製のボールをラケットで打ち合い、ラリーをつなぐスポーツ。相手を打ち負かすのではなく、ペアが互いに支え合いながら高得点を目指すことから〝思いやりのスポーツ〟とも呼ばれる。大会では、ラリーを続けた回数やテクニックなどを採点する。
同協会(JFBA)では、年間の上位ランカーを決める公式戦を毎年国内各地で開催しており、今年も「FRESCOBALL JAPAN TOUR 2025」として計8大会を計画。唯一の東北会場となるリクゼンタカタカップは、ツアー終盤の7番目に設定され、日本国内のトップ選手が集い技術を披露する大会としても注目を集める。
会場は、東日本大震災津波で甚大な被害を受けたあと、白砂青松再生に向けた取り組みが進められている場所。このことから「ビーチスポーツを楽しむ私たちが、自らの命や誰かの命を守れる存在になれるように」という願いをこめ、大会テーマを「つなげ、ラリー。つなげ、防災・減災」とし、参加者が災害への備えを学ぶ機会もつくる。
大会開催が正式発表され、気仙では愛好者らでつくる三陸フレスコボールクラブ(櫻岡和正代表)のメンバーが、本番に向けた練習を本格化。22日も高田松原で練習を行い、ボールを打つ快音を響かせた。
練習には、昨年11月に岩手大で発足したJFBA公認団体・アメニモマケズの学生4人も参加。同クラブメンバーとラリーで親交を深めながら、技術向上を目指した。
代表の東田健志さん(理工学部2年)は、同市でボランティア活動を行う同大三陸委員会「ここより」のメンバーでもある。昨年秋、同クラブが開いた体験会に参加してフレスコボールの魅力を知り、ボランティアのつながりを生かして同好会を結成した。大学の敷地内で練習しながら仲間の輪を広げ、当初10人ほどだったメンバーは、現在22人と倍増した。
同市のブランド「TRILL」のラケットを愛用する東田さん。「陸前高田のみなさんとの交流が楽しい。大学のある盛岡や、出身地の大阪では感じたことのないコミュニティーがここにはあり、仲間に入れてもらえてうれしい。ぜひ大会にも参加して、各地から集まる人たちと交流したい」と心待ちにする。ここよりメンバーは大会当日、防災・減災関係の企画にも携わる予定。
櫻岡代表(30)は「陸前高田は、さまざまな人のつながりが生まれる場所だと思う。大会がこれからもこの場所で続いていくよう、学生たちのような内陸の若い人にも、フレスコボールを盛り上げていってもらいたい」と期待していた。
リクゼンタカタカップの詳細は、JFBAが公式ホームページで随時発信する。エントリーの受け付けは7月中旬以降に開始予定。