2025参院選岩手選挙区/公示まで残り1週間 元・現・新3氏の選挙戦濃厚 各陣営は本番へ臨戦態勢
令和7年6月26日付 1面

任期満了に伴う第27回参議院議員通常選挙は、7月3日(木)の公示まで、残り1週間となった。岩手選挙区(改選数1)では表明順に、自民党の元職・平野達男氏(71)、立憲民主党の現職・横澤高徳氏(53)、参政党の新人・及川泰輔氏(46)の3人が立候補を予定しており、競争選挙突入が濃厚とみられる。物価高騰対策やコメ政策、アメリカによる関税措置への対応、大船渡市大規模林野火災からの復旧・復興などが争点になっていくとみられる中、各陣営は気仙も含めた県内各地で集会や街頭活動を展開して訴えを響かせ、本番に向けた臨戦態勢を整えている。
今回の参院選は、「7月3日公示、20日(日)投開票」の日程で実施。定数248のうち、任期満了に伴う選挙区74議席、比例区50議席の計124議席に、欠員1を加えた125議席を争う。
昨年10月の衆院選では、自民党と公明党の政権与党が過半数割れの大敗に終わり、立憲民主党や国民民主党などの野党は議席を伸ばした。今参院選では、与党が非改選議席を含めて過半数を維持できるか、野党が追い込みをかけて政権交代の糸口をつかめるかが焦点となる。
平野氏は参院議員として3期18年の実績があり、民主党政権時代は復興相も務めた。今選挙戦に向けては、今年1月に立候補の意向を表明した。
公約には、▽しなやかで強い郷土の創設▽地域の産業基盤強化▽持続可能な社会保障制度の構築──などを掲げる。今月7日に盛岡市内で開かれた総決起大会では、涙を浮かべながら「最後の選挙のつもりで頑張る」と訴えた。気仙でも、街頭演説などで実績と経験を踏まえた主張を響かせる。党総務会長で県連会長の鈴木俊一衆院議員(岩手2区選出)が選対本部長を務め、ともに支持拡大を図る。
チェアスキー選手として平成22年のバンクーバーパラ五輪への出場経験がある横澤氏は、現在1期目。今年1月、2期目に挑戦する意思を示した。
主要公約は、▽物価高騰対策▽農林漁業対策と新たな地域産業創出▽国民の命と生活を守る防災体制の構築──など。今月22日に盛岡市内で行った総決起街頭演説では「社会の壁をもっと取り除かなければならない」などと、再選への決意を誓った。同日の選対の会合には突如、達増拓也知事が駆け付け、緊密さを印象付けた。気仙でも国政報告会を開くなどし、1期6年の実績をアピールしている。
及川氏は、金ケ崎町西根在住の会社員。党の動画を通じて理念に共感し、昨年入党。今年3月、党公認候補として出馬に向けた決意を明らかにした。
公約の柱には、▽日本人を豊かにする(経済・産業・移民)▽日本人を守り抜く(食と健康・一次産業)▽日本人を育む(教育・人づくり)──を挙げる。盛岡市内で今月8日に行った事務所開きでは、「戦後壊され続けてきた日本人の精神性を取り戻す」と、関係者を前に誓いを込めた。北上市内にも拠点を設けて支持拡大の足がかりとするほか、気仙など県内各地で演説活動を行い、浸透を目指す。
岩手選挙区では、国政与野党対決が軸になるとみられる中、反自公勢力による野党共闘体制が今回も構築されるかも注目される。
平野氏と横澤氏は、6年前の参院選でも対決。当時は横澤氏が無所属で立候補し、立民、国民民主、共産、社民各党が推薦した。結果は横澤氏28万8239票、平野氏27万2733票と、1万5506票差で横澤氏が激戦を制した。