7年ぶり海開きへ環境整備 吉浜海岸復活大作戦 地元住民組織が活動(別写真あり)
令和7年7月1日付 7面

12日(土)に7年ぶりの海開きを迎える大船渡市三陸町吉浜の吉浜海水浴場で6月29日、海岸清掃が行われた。地元の住民自治組織・吉浜まちづくり振興会(新沼秀人会長)が「吉浜海岸復活大作戦」と銘打って活動。幅広い世代の住民らが集い、海水浴場開設に向けて環境を整えた。(清水辰彦)
大船渡市は今夏、三陸町の綾里(白浜)と越喜来浪板、吉浜の各海水浴場を開設する。3海水浴場そろっての開設は東日本大震災以降では初めて。このうち、吉浜海水浴場は平成30年度以来の開設となる。
吉浜海岸は津波によって防潮堤が全壊し砂浜も大部分が流出した。県による防潮堤復旧工事が24年度から行われ、29年度に完了。翌年には遊泳エリアを限定したうえで海水浴場が開設された。
一方で、砂の流出による石の露出、損壊した防潮堤由来のコンクリートがれきが確認されるなど、海水浴場としての安全確保が困難な状況となっていたこともあり、令和元年からは開設が見送られていた。
がれき撤去等の処理を終え、安全性が確認された今年、待望の海開きを迎える。この日の海岸清掃には園児から一般まで、地域住民を中心に約70人が参加。砂浜の流木を拾い集め、雑草も取り除くなどして、安全に利用できる環境を整えた。
新沼会長は「ようやくの海開きで喜ばしい。砂浜はまだ震災前のような状態には戻っていないが、なぎさで遊ぶ程度でもいいので、子どもたちが喜んでくれれば」と話していた。
吉浜海水浴場では12日午前9時30分から安全祈願祭が挙行される。同10時からは同振興会主催の「宝探し」が砂浜で行われる。