「椿に託す感謝の想い 復興の歩みを未来へ」 キャッチフレーズが決定 来年3月の全国椿サミット大船渡大会 今野さん(盛町)の作品採用

▲ 来年3月の椿サミット開催に向けてキャッチフレーズを決定した実行委

 大船渡市による全国椿サミット大船渡大会第4回実行委員会が1日に市役所で開かれ、大会キャッチフレーズを今野敏江さん(盛町)が応募した「椿に託す感謝の想い 復興の歩みを未来へ」に決めた。大会は、来年3月14(土)、15(日)の両日に市内で開催。東日本大震災や大規模林野火災の復旧・復興に向け、国内外から寄せられた支援への感謝の心も発信することにしている。(佐藤 壮)

 

 全国椿サミットは、ツバキを自治体花木に指定する市町村等で組織する全国椿サミット協議会と、日本ツバキ協会との共催で、年1回開催。ツバキの魅力を再確認し、地域振興につなげようと、大会ごとに立ち上がった実行委や開催自治体が主催するケースが多い。
 実行委員会は、市や県、大船渡商議所、大船渡ツバキ協会、市農協、市観光物産協会などの関係者ら13人で構成。この日は委員11人に加え、市農林課職員が出席した。
 冒頭、渕上清市長が「当市では過去に2度の中止を余儀なくされた。『三度目の正直』ということで、椿の里・大船渡の魅力を存分に紹介するとともに、震災や大規模林野火災で受けた支援に対する感謝の思いを伝え、関係人口の構築にも結びつけたい」と述べた。
 大会キャッチフレーズは、1~3月に公募し、51作品の応募があった。委員会内に設置された事業実施部会が①椿が結ぶ、人と地域の絆。大船渡から届ける感謝と希望②椿からの贈り物 山にも里にもあなたにも③椿に託す感謝の想い 復興の歩みを未来へ──の3候補に絞った。
 出席11委員による投票では③が過半数となる7票を獲得し、最優秀賞に決定。「復興への歩みを進める大船渡市が、全国からの支援に感謝を込めて未来への思いを発信する」といった意味を込めているという。残り2作品は、優秀賞として表彰する。
 協議では、本年度の事業計画と収支予算、椿サミット大船渡大会の事業内容も確認。日程は3月14日と15日の2日間。参加目標は1000人で、このうちサミットへの参加申し込み者は200人としている。
 初日はリアスホールで全国椿サミット協議会の理事会・総会や、日本ツバキ協会の通常総会を開催。椿サミットの催事イメージとして▽オープニング、郷土芸能披露▽開会行事(感謝状贈呈、市の紹介等)▽事例・活動発表(大船渡東高校による研究等)▽ステージ・パフォーマンス(合唱等)▽記念講演(ツバキの関連や市出身者、関係する著名人等)──を挙げる。
 県内外の関係者が懇親を深める交流会は、大船渡プラザホテルで計画。アトラクションや次回開催地の紹介などを行う。
 2日目は現地視察を計画。碁石地区を中心にツバキ関連の施設を巡るコースに加え、東日本大震災から復興した中心市街地にも足を運ぶルートも想定。旅行・宿泊関連業務を委託する業者を決めて「オプショナルツアー」も設ける。両日の日程に加え、大船渡らしさを意識した記念品の選定などは、次回以降の実行委員会で最終決定する。
 開催に向け、写真・書道・絵画コンテストなどの実施や、会場に展示する芸術作品の募集など、市民レベルの機運醸成も図る方針。大会当日の参加者送迎時の案内や、宿泊施設や市内事業所などにおける「おもてなし」も引き続き検討する。
 同市では、平成12年に椿サミットを初開催。三陸町との合併10年に当たる平成23年に2度目の大船渡大会を控えていたが、直前に震災が発生し、中止を余儀なくされた。復旧・復興事業を経て、震災から10年が過ぎた令和4年にも計画されたが、コロナ禍の影響で断念した。