2025住田町長選/2期連続無投票の公算大 告示まで1週間 立候補表明は現職のみ

▲ 事務所開きで気勢を上げた神田氏陣営

 任期満了に伴う住田町長選は、15日(火)の告示まで残り1週間に迫った。7日現在で立候補を表明しているのは、2期目の現職・神田謙一氏(66)=下有住=のみ。同氏以外に新人の擁立や起意の動きは見られず、〝無風〟の状態が続く。このほど開かれた立候補予定者説明会や届出書類事前審査会への出席も現職陣営のみで、前回選に続いて無投票となる可能性が高い。(清水辰彦)

 

 今町長選は、8月4日(月)の任期満了に伴うもの。昭和30年の町制施行以来19回目で、15日告示、20日(日)投開票の日程が組まれている。
 現職の神田氏は日本獣医畜産大学大学院修士課程修了。昭和59年に住田町農協に入り、合併した陸前高田市農協を経て、平成19年住田フーズ㈱取締役生産部長、24年同社常務取締役に就任。29年の町長選に初出馬し、町議を辞して臨んだ新人との一騎打ちを僅差で制した。
 町長選を巡っては、今年の町議会3月定例会初日に行われた施政方針演述において、「引き続きまちづくりの先頭に立ち、町民の皆さま一人一人とともに歩み、ともに成長し、成長し続ける決意」と出馬を明言した。政党、団体への推薦要請はせず、無所属で出馬する意向。
 就任1期目から、「住民生活の基本である『医・食・住』の充実」を重点に掲げており、無投票で当選した2期目では、より積極的に近隣市と連携をとりながら町政運営に当たっている。
 一方で、町内では毎年約100人ずつという規模で人口減少が続き、基幹産業である農林畜産業の担い手不足、空き家や耕作放棄地のさらなる増加など、少子高齢化に起因するさまざまな課題の深刻化が懸念されている。近年、頻発している自然災害への備え、拡大する鳥獣被害など、地域課題は山積、細分化しており、次の4年間を担うリーダーには、課題解決に向けた柔軟な対応が求められる。
 6月24日に開かれた立候補予定者説明会や今月1日の立候補届出書類事前審査会への出席は神田氏陣営のみで、対抗馬の動きはまったく見られていない。
 こうした中、5日には神田氏陣営が選対事務所開きを行い、後援会組織・神田謙一と明日の住田を創る会(泉金一会長)の役員や支持者ら約50人が参集した。
 選対本部長を務める泉会長(86)は「(神田氏は)地域の声に耳を傾け、住みよいまちづくりを第一に考え、医、食、住の政策を柱に掲げてさまざまな課題に真剣に取り組んでいる。2期8年の間、木工2事業体の債権問題、新型コロナウイルス感染症への対応があった中でも着実に財政健全化を図ってきた。事務所開きにより、3期目への挑戦が本格化する。私たち一人一人の声がまちの未来を左右する」とあいさつ。
 神田氏は2期目の取り組みに触れ、本年度スタートした新たな総合計画の推進に意欲を示しながら「3期目、なんとしてもこの計画を遂行していきたく、出馬を決意した。ご支援、ご協力いただき、前に進めていきたい」と決意を述べた。
 支持議員の一人である佐々木春一町議会議長は「今後、さらに力を伸ばしてもらい、産業育成、町民所得や福祉の向上に取り組んでほしい」と激励した。
 これまで、後援会の役員入れ替えもあって選挙態勢構築に時間を要したが、陣営では「無風ムードだが、油断せずに選挙戦のつもりで臨む」と気を引き締め、世田米、大股、下有住、上有住の後援会各支部ごとの活動も本格化している。
 今月2日現在、同町の選挙人名簿登録者数は4111人(男2014人、女2097人)。前回選告示日と比べて486人減少した。
 神田氏の後援会事務所の住所は下有住中上124の1。