気仙産を多くの消費者へ JAおおふなと 4年ぶり「夏秋野菜出発式」(別写真あり)
令和7年7月11日付 3面

大船渡市農業協同組合(JAおおふなと、猪股岩夫組合長)による「夏秋野菜出発式」は10日、陸前高田市米崎町の市営農拠点施設果樹野菜集出荷センターで開かれた。4年ぶりの開催となり、気仙で生産されたキュウリやピーマンなどの夏秋野菜を詰め込んだ大型トラックが市場へと出発。関係者らは、安全・安心な野菜を消費者に供給すべく誓いを新たにした。
出発式は、市農協の主力品目である夏秋野菜の出荷がピークを迎えるこの時期に開いていたが、令和4年度以降は新型コロナウイルスなどの影響で見合わせていた。5、6年度は式に代わる形で「夏秋野菜販売対策会議」を開き、生産者や市場、行政などの関係者らが栽培、出荷状況の情報共有を図ってきた。
3年度以来となった式には、生産者らをはじめ、県、気仙3市町、市場、運送、市農協の関係者ら約70人が出席。猪股組合長は「生産者、関係者の方々には健康に十分留意し、気仙で採れた安全・安心な農産物を1円でも高く販売できるよう努力をお願いしたい」とあいさつした。
来賓の佐々木拓陸前高田市長、県大船渡農林振興センターの高橋真紀所長による祝辞に続き、市農協が本年度の販売方針と生産販売目標を発表。生産者を代表し、ピーマン生産部会の細谷知成部会長が「夏秋野菜産地としての自覚と責任を持って、各生産部会で設定した目標を達成するともに、安全で安心はもちろん、心のこもった野菜を消費地へ届けられるよう安定生産に努めていく」と決意表明した。
この日、大型トラックには東京市場向けのキュウリ、ピーマン、トマト、ズッキーニ、菌床シイタケの5品目が積み込まれ、代表者らによるテープカットを合図に出発。出席者らは拍手を送りながらトラックを見送った。
市農協によると、本年度は安全・安心な農産物の生産から流通に至るまでの体制確立や、産地と消費地との結びつき強化などの方針に基づき、夏秋野菜の販売事業を展開する。
生産販売目標は、キュウリが23万8000㌔、ピーマンが10万2000㌔、トマトが9750㌔、ズッキーニが3万1950㌔、タマネギが1万4100㌔、菌床シイタケが5万9500㌔。販売額の合計は1億8372万円を見据える。