大規模林野火災に伴う公費解体──永浜・山口地区に「仮置場」 漁業用倉庫再建予定地など優先着手
令和7年7月11日付 7面
大船渡市は10日、大規模林野火災で被災した建物の「公費解体」に伴うがれきの分別などを行う仮置き場を、赤崎町の永浜・山口工業用地内の県有地に設ける方針を明らかにした。完成は15日(火)を見込む。解体作業は三陸町綾里の港地域と赤崎町の外口地域に加え、漁業用倉庫の再建を予定している他地域の被災建物でも着手し、なりわいの早期再生を支える。(佐藤 壮)
所有者の希望に応じて行う公費解体は、生活環境保全や二次災害の防止などが目的。全壊に関しては国の災害等廃棄物処理事業補助金を活用し、半壊家屋などに関しては市の独自支援策として行う。
5月30日から赤崎町の外口地域と綾里の港地域に作業班が入り、焼け残った部材の分別などを進めてきた。被災現場が点在し、狭隘な土地での分別作業は難しいため、作業効率向上を目指して仮置き場を設ける。
永浜・山口工業用地内の大船渡湾側に位置する県有地の3600平方㍍を確保。敷地に鉄板や遮水シートの敷設、周囲柵の設置、飛散防止や騒音・振動対策を進め、15日の完成を目指している。がれき内にアスベストが含まれないことを確認後に、順次搬入が始まる見通し。仮置き場では、さらに細かく分別し、処理施設への搬送やリサイクル活用につなげる。
今後は作業班を増やし、分別・撤去作業のスピードアップを図る。公費解体の申請棟数は6月末現在で215棟。全壊169棟と全壊以外4棟に加え、「り災届出証明書」で全壊等と判断される外便所や物置といった課税対象外の建物は42棟となっている。
先行的に着手した港と外口地域に加え、今月は綾里の小路、野々前の両地域のうち、解体後に漁業用倉庫の再建を計画している区画にも着手。渕上清市長は「消火活動をするうえでも、特にイサダ漁を中止して消火を優先したと聞く。漁期がある中で、こうした協力もあって消火に結びついた。これまでは各漁期に何とか間に合ったが、今後は来年の準備期間に入る。こうしたサイクルを支えることも、なりわいの再生には最重要」と話す。
一方、市市民環境課では「倉庫などの早期予定があっても、アスベスト調査の結果や、現場に重機や大型車両が入れないとの理由で作業が遅れる場合もある」とし、理解を求めている。
現在、公費解体の着工済みは30棟前後、その中で燃えがらの除去を終えたのは約20棟。完了した被災建物はないが、同課では「現時点では、想定の範囲内で進んでいる」との認識を示し、早いところでは今月末には所有者との最終立ち会いに入り、土地の再利用が可能となる区画も出てくる見込み。年内には全ての撤去作業完了を見据える。






