5歳児健診がスタート 本年度から全児童対象 総合福祉センターで「集団方式」
令和7年7月12日付 7面

大船渡市による本年度満5歳となるすべての子どもを対象とした5歳児(年中児)健康診査が10日、盛町の市総合福祉センターで始まった。昨年度、県内に先駆けてモデル事業を実施した実績を踏まえ、本年度は、同センターでの「集団方式」で進め、保護者に対するスムーズな結果通知や、専門家相談・指導につなぐといった支援の充実を図る。(佐藤 壮)
5歳児健診は、3歳児健診から6歳児(年長児)の秋に実施する就学時健診の空白期を埋め、切れ目のない支援や、スムーズな就学準備への移行が期待される。国でも、5歳児健診を推奨している。
対象は市内に住所があり、年度内に満5歳になる令和2年度生まれの全児童で、約150人。初日は、盛こども園と立根こども園に通う5歳児計22人を対象に行われた。
各園児は保護者とともに同センターを訪問し、身長や体重を測定後、園児は大津小児科ファミリークリニックの大津修院長による診察を受けた。保護者はガラス越しに見守った。
園児のそばに担任の保育教諭が寄り添う中、大津院長は対象児一人一人と向き合い、こども園に関する質問をしたり、じゃんけんなどを通して手や指を動かすなどしながら診察。コミュニケーション能力や模倣行動、協調運動などを確認した。
その後、保護者が入り、アンケートなどによる事前情報も含めての結果説明が行われた。聞き終えた保護者からは「すぐに直接結果を教えていただけると、やはりありがたい」といった声が聞かれた。会場では、児童に応じた保健指導や栄養指導、発達相談も行われた。
昨年度もモデル事業を担った大津院長は「きょうの説明では『うすうすそうかもしれないと気づいていたが、指摘されたのはありがたい』といった声も受けた。昨年の経験である程度慣れているので、大きなトラブルもなく進んだ。診察時に担任が付き、事後の担当者によるカンファレンスでも児童家庭支援センター大洋の心理士や保健師が入り、子ども一人一人の課題に向き合う体制がとりやすい」と話していた。
昨年度はモデル事業として、盛、いかわ、立根、末崎の各こども園で実施。医師らが出向いて各園を会場としたが、指定した結果説明会の都合が合わないなど日程調整や結果送付の事務負担が課題となったことから、本年度は総合福祉センターでの集団方式で全市を対象として行う。
本年度は、12月18日(木)まで全8回実施。児童1人当たり1回の健診で、日程は所属する園ごとに設定し、児童は保護者とともに受診する。時間はいずれも午後2時~4時。受け付けから診察・相談まで、児童1人当たりの所要時間は1時間程度が見込まれる。
「要二次診察」となった場合は、今後の発達支援の検討を含めた指導を行い、二次診察の受診勧奨と発達相談の利用、療育支援への参加を紹介することにしている。