7年ぶり 吉浜もにぎわう 震災後初めて 3海水浴場そろって開設(別写真あり)

▲ 7年ぶりの吉浜海水浴場を楽しむ子どもたち

 大船渡市の綾里、越喜来浪板、吉浜の3海水浴場は12日、海開きを迎えた。3海水浴場がそろって開設されるのは、東日本大震災以降では初めて。このうち、海中がれきの撤去などを行い7年ぶりの開設となった吉浜海水浴場では、住民らによる〝宝探し〟も開かれ、市内外の親子連れでにぎわいを見せた。(齊藤 拓)

 

吉浜まちづくり振興会が企画した砂浜での〝宝探し〟も

 平成23年の震災で被害を受けた同海水浴場は、防潮堤等の復旧工事や海底がれきの撤去を行い、30年度には遊泳区域を制限したうえで震災後初めてとなる海開きが行われた。
 しかし、その後は監視体制の不調、コロナ禍、石や海中がれきの露出と障害が相次ぎ、再び開設が見送られてきた。その後に改めて海中がれきの撤去などを行ったことで今年、市は安全性が確認できたとして海水浴場の開設を決めた。
 同海水浴場ではこの日、市観光物産協会(齊藤俊明会長)による3海水浴場の合同開設式が行われ、吉浜地域や市の関係者10人余りが出席。神事が営まれ、来場者の無事故を祈った。
 同日の市内は日中の最高気温が24・1度(平年比0・9度低め)と、連日の酷暑から一転して涼しくなった。それでも神事後からは日も差し始め、同海水浴場には市内外から100人を超える海水浴客が来場。波打ち際を走る地元の児童らや、子どもを抱えて海水浴をする大人の姿でにぎわいを見せた。
 保護者や友人らと訪れた岡﨑海紅さん(吉浜小1年)と木川田絵麻さん(同)は、「学校のプールでも泳ぐ練習をしている。波に揺られて楽しい」と、地元の海にはしゃいだ様子だった。
 この日は、吉浜まちづくり振興会(新沼秀人会長)が昨年に引き続き、砂浜の利活用などを狙いに「吉浜海岸宝探し」を開催。砂浜に埋めたカプセルを探して景品を得る〝宝探し〟が行われ、こちらも子どもたちの歓声でにぎわった。
 大船渡町から参加した相澤咲良ちゃん(5)と杏南ちゃん(3)の姉妹は「砂浜で遊んで楽しかった。海では貝殻も拾ってみたい」と笑顔を見せた。
 同協会によると、綾里と越喜来浪板の2海水浴場を開設した6年度は、天候不順が大きく影響したことで、利用者数は3208人と5年度の利用者数を約900人下回った。
 市観光交流推進室の古内弘一次長は「現在も、漂着ごみや海藻類の除去に取り組んでいる。市にとって3海水浴場は貴重な観光資源であり、地域の魅力を体感してもらえる場所。にぎわい創出やまちの活性化につながることを期待する」と話した。