待ちに待った!カツオ到来 市魚場 巻き網、一本釣り4隻で39㌧(動画、別写真あり)
令和7年7月15日付 7面

大船渡市魚市場に13日、〝夏の使者〟とされるカツオが今季初めてお目見えした。昨年より1カ月以上遅れての取り扱いとなり、県外の巻き網、一本釣り船4隻が計39㌧を水揚げ。今年は、潮流や水温の関係で全国的な不漁が叫ばれている中、場内では夏漁の本格化を告げるしま模様がきらりと輝き、漁船、市場関係者らによる選別作業で活気づいた。(菅野弘大)
同魚市場では平成12年から、気仙沼魚市場が休場の場合にカツオ船を受け入れており、特に、休日の日曜日に開場して水揚げする〝サンデーカツオ〟として定着している。例年は6月から数量がまとまりだし、水揚げは9月ごろまで続く。
この日入港したのは、青森県八戸市の巻き網船1隻と、宮崎県日南市の一本釣り船3隻。いずれも同日深夜から未明にかけて入港し、10~12日にかけて漁獲したカツオを水揚げした。
午前4時30分ごろから作業が始まり、巻き網船では船倉から網で岸壁に移され、一本釣り船では乗組員らが手渡しで1匹ずつ水揚げ。カツオはベルトコンベヤーで運ばれ、市場職員らが手際よく大きさを選別してタンクに入れ、フォークリフトで次々と運び出した。休場となっている普段の日曜日とは打って変わり、夏ならではの光景が広がった。
大きさは、特々大(6~8㌔)~特大(4~6㌔)と大型サイズが中心で、全体の8割を占めた。全体の入札価格は1㌔701円~200円で、平均は398円。入札が終わると、加工場に向けてトラックが出発し、東京・豊洲市場など各地に出荷された。
宮崎県日南市の一本釣り船・第二十一愛宕丸(119㌧)は、茨城~福島県沖で漁獲した12㌧を水揚げ。杉本亨介船頭(55)は「通常は水温の高い潮流に乗ってカツオも北上していくが、今年は南にとどまっており、南側特有の脂の少ない大きなサイズが多い。これから型の良いものが増えてくれれば」と語り、「日曜日に市場を開けてくれるのは助かる」と取り扱いに感謝した。
今季のカツオ漁は、近年続いていた海水温の上昇が収まりつつあることでカツオの北上が遅れ、生鮮の水揚げ28年連続日本一を誇る宮城県・気仙沼港でも苦戦が続いている。大船渡市魚市場における昨年度のカツオ水揚げは、数量累計で1633㌧(前年度比136%増)、金額は6億2346万円(同106%増)と、いずれも大幅に上回ったが、本年度は予報も低水準の見通しで、期待が難しい状況となっている。
大船渡魚市場㈱の佐藤光男専務は「予報も良くなく、現地の船主たちからも『今年は不漁で取れない』という話が出ていた。秋にかけての戻りガツオがどれくらい取れるか」と話していた。