音と熱気 復興の地包む KRF〝完全復活〟 6年ぶり2日開催 初日は約3500人来場(別写真あり)
令和7年7月20日付 1面

「ケセンロックフェスティバル」(KRF、同実行委主催)は19日、大船渡市大船渡町の夢海公園を主会場に開幕した。今年は6年ぶりの2日間開催となり、〝完全復活〟を果たした。初日は9組のアーティストが出演し、約3500人の聴衆が来場し、アーティストと一体となってフェスを盛り上げた。東日本大震災後に整備された中心市街地に音楽が鳴り響き、熱気に包まれた。(清水辰彦)
KRFは、平成20年に大船渡市で開かれた「OFUNATO ROCK FESTIVAL」が前身。翌21年、22年とKRFとして住田町の種山で開催してきた。
23年は東日本大震災の影響で開催を見合わせたが、24年に復活。以降、地域の若者が中心となって実行委組織を運営し、その情熱に感銘を受けた人気アーティストが早期復興を願いながら集結するロックフェスとして定着している。
令和元年に10回目を迎え、同2年は準備期間として開催を見送った。コロナ禍を経て昨年7月、夢海公園を舞台に1日の日程で開催。今年は6年ぶりの2日間開催となった。
初日は、音楽ジャーナリストで実行委メンバーとも親交が深い鹿野淳氏のDJステージで開幕。その後は、大船渡市出身者らで構成する3人組ロックバンド「FUNNY THINK」が登場し、激しいメロディーを響かせた。引き続き、毎年KRFへの出演を重ねる10-FEETがステージに上がり、早くも会場のボルテージは最高潮に達した。
このあとは「G─FREAK FACTORY」「THE FOREVER YOUNG」「ASPARAGUS」「BRAHMAN」「ASIAN KUNG─FU GENERATION」「MONOEYES」が次々と登場し、観客を熱狂の渦に巻き込み、アーティストたちは震災や林野火災に対する思いも口にした。
このほか、夢海公園の道路向かいにあるキャッセンフード&ヴィレッジにはイベントステージと飲食ブースが設けられてにぎわった。
宮城県柴田町から訪れた佐藤智和さん(48)・新奈さん(48)夫妻は、平成30年から毎回参加しているといい、「種山には種山の良さがあったけど、大船渡は浜風があってすごく気持ちいい」と沿岸の雰囲気を楽しんだ。智和さんは「スタッフの皆さんも温かくて、すごくいいフェスなのでこれからも毎年来たい。震災、火災があったが、こうしたイベントに来て、少しでも地域にお金を落としていくことで応援できたら」と心を寄せた。
20日は午前9時30分開場、10時30分開演。オープニングは大船渡市在住のアーティスト・LAWBLOWが飾り、その後は「the band apart」や「HAWAIIAN6」などが登場し、「locofrank」が締めくくる。