綾里小に〝体験入学〟 UAE在住の門口桜さん 母が地元出身の縁で
令和7年7月25日付 7面

大船渡市三陸町の綾里小学校で、アラブ首長国連邦(UAE)で暮らす門口桜さん(7)が25日まで〝体験入学〟の日々を送っている。母の千春さん(46)が綾里出身という縁によるもので、一時帰国中のおよそ1カ月半、自らのルーツである土地で同年代との学校生活を楽しんでいる。
桜さんは、スペイン出身の父・アレハンドロ・サエンズ・マルチネス―ヘイホさん(46)の仕事の都合で、令和2年からUAEの首都・アブダビに一家で暮らしている。
同国の学校は9月に進級するため、桜さん一家は毎年、進級を控えた夏休みに綾里へ里帰りする。桜さんは3歳ごろから、日本語の上達や日本文化を学ぶ目的で、この間に綾里こども園や同校の協力を得て体験入学をしてきた。今年は6月末に一時帰国し、次女の梅ちゃん(4)も、同様に綾里こども園へ通った。
体験入学初日、英語と日本語で児童らに自己紹介した桜さん。クラスメートとは1年ぶりの再会だったがすぐに打ち解けた様子で、登下校時には英語であいさつを交わした。
これまでの学校生活で、桜さんは習っているピアノや体操を披露したり、クラスメートから日本式の筆算を教わったりと、同い年の児童らと互いに刺激を与えあっていた。
桜さんは「去年は雨が多くてプール授業ができなかったけど、今年はプールで遊べてよかった。友達と外で遊んだのも楽しかった」と笑顔を見せる。
千春さんは「大規模林野火災は、海外でも大きなニュースとして報じられ、私自身も周囲から気にかけてもらった。その中でも、地元の子たちの明るさと前向きさは印象的で素晴らしい」と話した。
桜さん一家は今後も住民らと交流を重ね、8月中ごろに大船渡を発つ予定。