高田高生5人が30日からシンガポール訪問 共生社会 現地で学習へ 国際交流協会が派遣事業(別写真あり)
令和7年7月26日付 7面

陸前高田市国際交流協会(大林孝典会長)は30日(水)~8月5日(火)、県立高田高校の生徒5人を同市と友好関係にあるシンガポールに派遣する。同国の大学生との交流やホームステイなどを通じて多文化共生の社会を学ぶ。生徒たちは英語によるコミュニケーションにも意欲をのぞかせる。
派遣は市からの補助金を活用して実施し、同校の金野萌花さん(2年)、荒木栞凛さん(同)、鶴嶋祐成さん(同)、小島奈々さん(1年)、山田暖心さん(同)が訪問する。24日、市役所で出発式があり、佐々木拓市長にそれぞれ決意を語った。
鶴嶋さんは「自己成長につながると考えて訪問を志望した。外国人とコミュニケーションを取ることは大切だと思っており、そのうえでも英語は重要。シンガポールでは頑張って英語でコミュニケーションを取り、たくさん友達を作ってきたい」と意気込んだ。
シンガポール人を一度、自宅に招いたことがあるという小島さんは「シンガポールは陸前高田市にたくさんの支援をしてくれたと知り、どうしてそこまで支援してくれたのか学んでみたいと思い、訪問を志望した。英語をたくさん使って交流したい」と抱負を述べた。
シンガポールは東日本大震災後、公共施設の整備費を補助するなど、陸前高田市への物心両面の支援を展開。令和3年12月には、高田町の市コミュニティホール前にシンガポール政府公認の「マーライオン像」が建立された。
また、市は震災後、「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」として、年齢や性別、障害の有無などの垣根を越えた住みよい社会の構築を進めており、多民族国家で共生社会の先進国とされるシンガポールから、多様性などについて学ぼうとさまざまな交流事業を展開している。
高田高出身の佐々木市長は「英語力向上や海外への関心が高く、大変素晴らしいこと。海外を訪問する経験は一生の宝物。他国のいいところ、尊敬すべき点、まちづくりを見て学んできてほしい」とエールを送った。(高橋 信)