綾里会場でも多様な悩み 大規模林野火災の住宅再建支援制度説明会 公費解体のスピードアップ求める意見も
令和7年8月6日付 7面
県と大船渡市、住宅金融支援機構による大規模林野火災の被災者を対象とした住宅再建支援制度説明会は4日夜、三陸町綾里の綾姫ホールで開かれた。先月29日の市役所会場に続く開催で、住宅再建時の助成制度や融資支援、土砂災害特別警戒区域の対応などが示された。出席者からは、公費解体のさらなるスピードアップを望む声が寄せられたほか、個別相談では被災した場所での再建を悩みながら見解を求める姿も。市は9月以降、隔月で相談会の開催を計画している。(佐藤 壮)
説明会には、自宅が被災した住民約10世帯が出席。報道陣には非公開で行われた。市などによると、各担当者が住宅の新築・購入や補修に向けた支援策や融資制度を説明したという。
市役所での開催と同様、市側は林野火災で住宅を焼失した人が10立方㍍以上の県産材を使用して市内に事業所がある業者が施工する住宅再建に対し、最大100万円を補助する独自策などを紹介した。
また、市は被災した土地が土砂災害特別警戒区域に該当している人に対して、個別に「お知らせ」を送付。この日は、被災した場所から移転して住宅再建する場合、同区域かどうかの確認を求める資料が添えられた。同区域は、建築物の構造安全が確認された場合を除き、住宅建築ができない。
住宅金融支援機構東北支店東北復興支援室では、災害復興住宅融資の中で「高齢者向け災害融資」を紹介。満60歳以上が対象で毎月の支払いは利息のみで、元金は申し込み者全員の死亡時に相続人が一括返済する仕組みで、相続人が融資住宅と土地を売却することも可能となっている。
生活再建支援金や義援金、保険金も活用しての住宅再建が予想される中、一般的な災害融資に関しても500万円以下の場合は抵当権設定が不要なことも示された。
全体の質問では、公費解体が進む一方、被災現場はまだ住宅再建ができない状態を挙げ、来年度以降も同様の補助制度があるのかを問う出席者も。市側は、議会議決の必要性に触れながらも予算確保に努める姿勢を示し、理解を求めた。公費解体に関しては「物価高騰が進んでいる。解体作業を早く進めてほしい」といった声も出たという。
個別相談では、住宅再建に向けた資金確保だけでなく、市役所での開催と同様に、土石流や急傾斜地の崩壊の恐れがある土砂災害警戒区域、同特別警戒区域に住宅を建設する際の条件を確認する世帯も。参加者からは「土砂災害を考えた時に、これまでの場所でいいのか不安。家族と考えたい」「被災した周囲の家族が他地域で再建する予定を聞き、自分たちも悩んでいる」といった声が聞かれた。
市側は、親族が帰省する盆時期に再建策などを話し合うといった動きを見据え、9月をめどに再建に関する意向調査を行う考え。結果は、各種支援に必要な予算確保などに生かす。同月以降は、隔月で相談会を開催することにしている。





