2校2学科 10年度に募集停止へ 気仙 高田・海洋システムと大船渡東・食物文化 第3期県立高校再編計画 県教委が当初案を公表

 県教育委員会は5日、令和8年度から17年度までの10年間を期間とする「第3期県立高等学校再編計画」の当初案を公表した。このうち、気仙では8~12年度の前期計画期間において、10年度に高田の海洋システム科(定員40人)と大船渡東の食物文化科(同)を募集停止とする方向性を提示。海洋システムと食物文化の調理師養成施設機能は宮古水産に集約し、同科の家庭の学びは東高の農芸科学で維持する考えだ。県教委は6日以降、当初案に関する県民や子どもからの意見聴取、地域検討会議、住民向け意見交換会を予定しており、計画の策定を進めていくとしている。           (三浦佳恵)

 県教委は、平成12年3月に「県立高校新整備計画」(第1期再編計画)を、28年3月に「新たな県立高校再編計画」(第2期再編計画)を策定。令和7年度が第2期再編計画の最終年に当たるため、「第3期県立高校再編計画」を策定することとした。
 第3期計画の検討に向けては、令和5年から県立高校教育の在り方検討会議、地区別懇談会などを開き、県民や子どもたちから意見を聴取。今年4月には、同計画の土台となる「県立高校教育の在り方~長期ビジョン~」を策定した。
 当初案によると、第3期計画における基本的な考え方は、▽持続可能な社会の創り手となる人材の育成▽高校の多様化に対応、各自の希望する進路の実現▽教育の質の保証、教育の機会の保障▽地域や地域産業を担う人材の育成▽大学進学率の向上や専門的知識を持つ人材の育成──の五つ。
 学校規模は、「規模の大小に関わらず、各校が特色・魅力ある教育活動を展開することが重要」などとし、望ましい規模を設定していない。学級の規模は1学年当たり最低2学級、普通高校の1学級校は「地域校」と位置付け、1学級の規模は高校標準法の規定に基づき、40人を標準とする。
 地区割は気仙3市町から、釜石市、大槌町を加えた沿岸南部地区に変更。同地区内の高校は現在、全日制が高田、大船渡、大船渡東、住田、釜石、釜石商工、大槌の7校で、定時制は大船渡と釜石にある。
 全日制の7年度入試では、7校合計の定員880人に対して合格者は621人と、259人の欠員が生じた。今後の推計では、中学校卒業予定者数は12年3月までの間に101人減少すると見込まれ、学級数の調整が求められている。
 同地区の再編に当たっては、生徒数の減少などに対応し、各高校における特色ある学びの機能を可能な限り維持しながら、規則や基準に基づいて学級数を調整。地域校では入学志願者の状況などを踏まえながら、存続を検討する。
 気仙のうち、当初案で再編対象となったのは、高田と大船渡東の2校。大船渡と住田は現状維持となる。
 高田は水産の学びの配置バランスを考え、10年度に海洋システム科を募集停止とする。水産の学びの機能は宮古水産に集約し、高田は普通科(定員120人)のみとする計画。
 大船渡東は、調理師養成施設の学びの配置バランスを考慮。食物文化科の調理師養成施設を除く家庭の学びを農芸科学科内にコース等として維持したうえで、同年度に募集を停止する。調理師養成施設の機能は宮古水産に集約する考えで、大船渡東は農芸科学(定員40人)、機械電気(同)、情報処理(同)の3学科となる見通し。
 気仙では、第1期計画の平成20年度に高田の情報処理、広田水産の家政、大船渡農、大船渡工が統合し、大船渡東が誕生。広田水産の水産技術は高田に統合され、海洋システムとなった。第2期計画では29年度に大船渡が1学級減、30年度に大船渡東の機械と電気電子を統合した機械電気を新設。令和元年度に高田の普通が1学級削減された。
 再編案は気仙の基幹産業や担い手確保などに関係することから、今後の議論の行方が注視される。
 県教委は第3期計画の当初案に関し、6日から9月12日(金)まで、県民や小学5年生~高校3年生からの意見を募集する。詳しい募集内容、当初案は県ホームページから確認できる。
 今月28日(木)午後6時からは沿岸南部地区の住民向け意見交換会を、29日(金)午前10時からは各地域の代表者対象の地域検討会議を開催。いずれも会場は、陸前高田市高田町の市コミュニティホール。