つなぐラリーで交流深める フレスコボール きょうまで松原で「リクゼンタカタカップ」(動画あり)

▲ 高田松原の特設コートで協力しラリーをつなぐ出場者ら

 ビーチスポーツ・フレスコボールの公式戦「リクゼンタカタカップ」(日本フレスコボール協会主催)は9日、陸前高田市の高田松原海水浴場で開幕した。4年連続の開催で、全国各地から集まったプレーヤーたちがそれぞれの技を発揮。レベルや継続、新規関係なく参加者らが交流し、同市ならではの〝つなぐラリー〟で親睦を深め合っている。10日まで。
 フレスコボールは、2人一組でゴム製のボールをラケットで打ち合い、ラリーをつなぐブラジル発祥のスポーツ。ラリーを続けた回数やテクニックなどが採点される。
 同協会(JFBA)では今年、年間の上位ランカーを決める公式戦「FRESCOBALL JAPAN TOUR 2025」で、計8大会を計画。令和4年から会場に選ばれている同市のリクゼンタカタカップは7番目に設定された。
 同カップは、市や東海新報社などが後援。コンセプトは「つなげ、ラリー。つなげ、防災・減災」で、開催にあたっては、国交省東北地方整備局の事業「水辺・絆プロジェクト」を活用した。
 男子、女子、ミックス(男女混合)の各部門があり、2日間の総参加者数は78ペアを見込む。東北から沖縄まで全国からエントリーがあり、気仙地域の住民らでつくる三陸フレスコボールクラブ(櫻岡和正代表)の所属メンバーらも、トップ・ディビジョン(レベルの高い選手が集まるカテゴリー)やセカンド・ディビジョン(一般向け)にそれぞれ挑戦した。
 2面の特設コートそれぞれで試合が行われ、各ペアは7㍍以上の距離を保ちながらラリー。時間や落球数に制限がある中、初心者ペアはより多くラリーをつなげる、上級者ペアはよりポイントの高いプレーを披露するなど、それぞれの目標達成を目指した。
 コートの周囲からは終始明るい声援が飛び交い、プレーヤーは、落球数等でピンチに追い込まれる場面でも笑顔を絶やさなかった。ラリー後は参加者同士、地域や年代に関わらずハイタッチを交わし、健闘をたたえ合った。
 同クラブの星優希さん(35)は、兵庫県明石市の石田尚子さん(43)と初めて〝遠距離ペア〟を組んでミックスカテゴリーに出場し、息の合ったロングラリーを披露して会場を沸かせた。
 星さんは「フレスコボールは3年目。石田さんに助けてもらいながら、気持ち良くアタックを打つことができた。毎年関西、関東から多くの人に高田松原に来てもらいうれしい」と喜び、石田さんは「普段知り合えないような人とつながり、心が近くなるのがフレスコボールの魅力。リクゼンタカタカップは昨年から参加していて、一番好きな会場です」と爽やかな表情を浮かべていた。
 昼時間の「ハーフタイムショー」では、岩手大学三陸委員会「ここより」の学生らが防災講座を担当。ビーチに持っていきたい防災グッズや心得などについて紹介し、「海を楽しむ私たちにできること」を呼びかけていた。
 10日は午前10時から試合を開始。無料でラケットを貸し出す体験ブースも設ける。