男子50㌔級で安達選手(大船渡一3年)V 県中総体柔道競技 19日開幕の全国大会出場へ

▲ 県中総体の柔道男子個人50㌔級で優勝し、全国大会に出場する安達選手

 第72回県中学校総合体育大会(県中体連主催)はこのほど、県内各地で17競技が行われた。気仙勢は、柔道男子個人50㌔級で大船渡一の安達悠太選手(3年)が優勝し、全国中学校体育大会(全中)への出場権を獲得。柔道のほか、陸上、卓球、バレーボール、ソフトテニスで上位入賞があり、東北大会に出場する活躍を見せた。
 安達選手が挑んだ柔道男子個人50㌔級には、23人が出場。2回戦から登場した安達選手は、初戦を内股の一本勝ちで突破すると、準々決勝では、昨年度の県新人大会で敗れた久慈の選手と対戦。背負い投げで技ありを奪うと、最後まで集中を切らさず勝ち切った。「絶対にリベンジしようと、相手の戦い方を研究してきた。強かったけど、気持ちで勝てた」と振り返る。
 準々決勝の勝利で勢いづいた安達選手は、ゴールデンスコア(延長戦)までもつれた準決勝を有効優勢勝ちで決勝へ。「勝っても負けても悔いなく終わろう」と臨んだ決勝では、技ありを奪って優勢勝ちで初優勝を飾った。
 保育園年長のころから、大船渡市盛町の時習館で競技を始めた。仲間たちと切磋琢磨しながら稽古に励んでいたが、中学校の大会では思うように結果が残せなかったという。1学年上の世代が引退し、自分たちが主力の代となって挑んだ2年生の県新人大会も振るわず、「柔道を嫌いになる時もあった」と当時の心境や葛藤を明かした。
 それでも「自分はこのままでいいのか」「絶対に見返してやる」と、強い意思で自らを鼓舞し、再び競技と向き合った。中学校部活動の集大成となる県舞台で〝優勝〟という結果を残し「中学校で初めての県入賞が優勝で、自分の実力を発揮できたと思う。支えてくれた人たちへの恩返しのような形になり、そのこともうれしかった」と振り返った。
 安達選手は「体が小さくても、ここまで強くなれた。日々の稽古で高め合ってきた仲間や教えてくださった指導者の方々、励まし支えてくれた家族に感謝している」と語り、「全国大会では後悔のないように、自分のベストの力を出して試合をしたい」と意気込む。
 全中の柔道競技は今月19日(火)に福岡県福岡市で開幕する。
 柔道男子では安達選手のほか、個人50㌔級で大船渡の前田昇輝選手(1年)、同60㌔級で高田東の菅野翔太選手(3年)がそれぞれ3位入賞を果たした。3人は青森県で開かれた東北大会に出場し、安達、菅野両選手は初戦突破の活躍を見せた。
 他競技では、陸上男子共通800㍍で大船渡一の長谷川翔太選手(2年)が通信陸上競技県大会に続く2冠を達成。全中の参加標準記録突破はならなかったが、自己ベストを更新する走りを見せた。
 同2・3年1500㍍では、同校の佐藤勇希選手(3年)が7位に入賞。女子1年1500㍍では、住田の水野澪選手がトップと0・54秒差の2位となった。3人は東北大会(タイムレース)に出場し、長谷川選手が5位、水野選手が4位に入った。
 卓球では、女子個人で大船渡一の松川明椰選手が、1年生ながら準優勝の活躍。出場選手は2、3年生がほとんどだった中「中学校初めての県大会で結果を出せてうれしい」と笑顔を見せた。東朋の神林晴香選手(3年)も8強入りし、ともに東北大会に挑んだ。女子団体では大船渡一が4強入りしたが、東北大会代表決定戦で敗れた。
 バレーボール女子では高田東が4強となり、第3代表決定戦を制して東北大会に出場。ソフトテニス男子団体では住田が3位に入賞した。