さらなる運営の充実目指す 市防災観光セおおふなぽーと 延べ利用者50万人を突破(別写真あり)

▲ 利用者50万人達成をくす玉割りで祝った

 大船渡市大船渡町の市防災観光交流センター・おおふなぽーとの延べ利用者が14日、50万人を突破した。平成30年6月の開館以降、地域づくりをはじめ、津波伝承、観光・都市間交流に加え、津波発生時に高台へ逃げ遅れた際には一時的な緊急避難場所に位置づけられるなど、多岐にわたる機能で市内外の幅広い世代に親しまれて、活用が進む同センター。関係者はこれまでの利用者に感謝を示すとともに、さらなる利用促進、施設運営の充実に向けて気持ちを新たにしている。(栗村勇翼)

 

 50万人目の利用者となったのは、同市三陸町吉浜の東裕也さん(40)知依さん(34)夫妻と息子の稜晟ちゃん(3)。センター内で記念セレモニーが行われ、同センターの指定管理者である市観光物産協会(齊藤俊明会長)の近江学事務局長と、同協会から委託を受け、2階部分の運営を担っているNPO法人おはなしころりんの江刺由紀子理事長とともに、くす玉を割って〝大台〟の到達を祝った。
 東さん家族は同日、2階の遊具スペースを利用するために訪れたという。一度立ち寄って以来、稜晟ちゃんにとってのお気に入りの遊び場になっているといい、裕也さんは「暑さをしのぎながら、子どもと一緒に過ごせるので来た。こんなに暑い日が続くと、なかなか外で遊ばせることもできないので、とても助かっている。これからも利用したい」と話し、記念すべき50万人達成の瞬間に立ち会えたことを喜んだ。
 同センターは、平成23年の東日本大震災で被災した大船渡駅周辺地区の復興まちづくりにおいて、「防災学習、観光交流情報の発信、市民交流の場づくり」を目的に整備され、平成30年4月にオープン。同6月に全館の併用を開始した。
 開館後は、市民らのイベントや展示、会議、自主学習など、さまざまな用途で活用されており、遊具や絵本などの子ども向けスペースも充実していることから、幅広い世代に親しまれている。
 併用開始から1年5カ月目で延べ利用者数10万人を達成。令和元年から同3年にかけては新型コロナウイルスの影響で長期間の休館日を設けたことに伴って利用者数は伸び悩んだが、4年度から回復。4年4月に延べ利用者数20万人を、5年7月に同30万人を突破した。年度ごとの利用者数も年々伸びており、令和6年度の延べ利用者数は9万9110人に上った。
 おはなしころりんの江刺理事長は「これまで、さまざまな世代に足を運んでいただき、観光で訪れる人も多く、感謝している。ここに来てくださる人たちにとって居心地の良い場所で在り続けられるよう、今後も運営に尽力していきたい」と話していた。