交流通じて活気創出 バスケットボール女子日本代表の髙田真希さん 大船渡で東北初の「マルシェ」(別写真あり)

▲ 美しいシュートフォームを披露する髙田さん。「NINE HOPES」で〝真剣勝負〟に臨んだ

 バスケットボール女子日本代表の髙田真希さん(35)が代表を務める㈱TRUE HOPE主催の「髙田真希MARCHE(マルシェ)in大船渡」が16日、大船渡市大船渡町の夢海公園で開かれた。シュートで〝対決〟できる企画をはじめ、髙田さんが来場者と積極的に交流。多彩なステージイベントも繰り広げられ、東日本大震災や大規模林野火災からの復興を願うにぎわいに包まれた。(佐藤 壮)

 長年日本代表として活躍する髙田さんは愛知県豊橋市出身で、デンソーアイリスに所属。東京2020オリンピックではキャプテンを務め、日本チームの銀メダル獲得に大きく貢献した。代表としてプレーを続けるだけでなく、近年は自ら会社を立ち上げ、バスケットボールの魅力を広める活動や、地域貢献イベントにも積極的に取り組んでいる。
 マルシェはこれまで、出身地の愛知県で2回、熊本県と島根県では各1回開催し、東北では初めて。好天に恵まれた中、地域住民はもちろん、関東圏などからも幅広い世代の人々が訪れた。
 開幕直後から列ができたのは、髙田さんプロデュースの「NINE HOPES」。九つのバスケットリングに5球シュートし、縦、横、斜めいずれか1列のビンゴを達成すれば景品がもらえる体験型アクティビティで、有料参加による髙田さんとの〝対戦〟も受け付けた。
 小学生から一般まで幅広い世代が勝負を挑んだが、髙田さんは「日本代表になるためには、このくらいは入れないと」などと語り、一切手加減をせずに世界の強豪を相手に決めてきたシュートを披露。対戦が終わると笑顔で記念撮影やサインに応じた。
 参加した奥州市の黒田陽菜乃さん(岩谷堂小5年)は「難しかったけど、一緒にできて楽しかった」、大船渡市の平心羽さん(猪川小6年)は「髙田さんから『シュートフォームがきれい』と言われてうれしかった。髙田さんはボールを運べるだけでなく、ゴール下でもチームに貢献できるのがすごい。髙田さんみたいになりたい」と話していた。

多彩なステージイベントでも活気を発信

 ステージでは、地元内外のダンスチームメンバーのパフォーマンスに続き、髙田さんとのコラボイベント「トークショー」として、いわてグルージャ盛岡の水野晃樹ゼネラルマネジャーや釜石シーウェイブスの河野良太選手が参加。髙田さんは、日本代表が準優勝した先月のアジアカップを振り返ったほか、水野さんと河野さんは地域密着の活動を展開する自チームの魅力などを語った。
 大船渡でのマルシェ開催に関して、髙田さんは「14年前の東日本大震災時は、テレビを見ることしかできなかったが、今は会社を立ち上げ、自分で行動に移せる」と思いを語った。さらに「試合で苦しい時、流れが来ない時は、我慢しながら声をかけ合い、手を取り合ってきた。自分にできることを大切にしながら、前向きに、明るく、元気に進んでほしい」とメッセージを送った。
 ステージでは各種景品が当たる「じゃんけん大会」が盛り上がりを見せたほか、髙田さんプロデュースの食品をはじめ、地元内外の業者が並んだ出店も好評。会場中央部にはプロレスリングが設けられ、みちのくプロレスによる試合も行われた。